第44話 ど、どういうことだ?
「ば、バカな……」
麻村は思わず声が漏れてしまう。それほど見事な連携である。
「マグナマル先生がいろいろ工夫して、短期間で効果が出る連携を考えたらしいですよ」
清野が説明すると麻村は言葉を失った。
それからも、メグミたちの連携が冴えわたる。結局、三ポイントという大差で一年生チームが初勝利を手にした。
「ど、どういうことだ? 一年は仲が悪く崩壊寸前……そうだったのでは?」
麻村はそんなことをつぶやいて、席を立つ。
「教頭先生、最後まで見ないのですか?」
「い、いえ、ちょっと用事を思い出しまして――」
それだけ言い残すと、麻村は清野の前から姿を消した。
次の試合、鈴来美咲たちが出てくる。
「鈴来がアタッカーの番になったら、しっかりとポイント稼ぐんだ。仁志原と田無はガードをしっかり頼む」
メグミたちには何のアドバイスもしなかったのだが、美咲たちには細かく作戦を伝えた。
「それじゃ、行ってこい!」
「ハイ!」
最近まで仁志原敏美と田無エリは魔法を学ぼうという姿勢を示していなかった。別に自分が頑張ったってなにかできるわけがない――そんな諦めムードを表面に見せていたのである。それがここにきて、とてもやる気を見せている。美咲に引っ張られている感じだ。
(美咲が頑張っているんだから、自分も――)
そういう気持ちなんだろう。今ではダグラスにいろいろ質問して、美咲の魔法を活かすプレイを教えてもらおうとしている。まだまだ、息の合ったチームとは言い難いが、それでもかなりイイ連携ができるようになっていた。もう、風属性魔法頼みのチームではない。
試合が開始すると、早速、美咲の風属性が炸裂する。相手は何が起きたのかわからないまま、どんどんヒットアウトしていった。ただ、後半は風魔法に慣れてきたのか、うまく躱されてしまう。それでも、なんとか一ポイント差で逃げ切った。
「スゴい! 二年生相手に、二勝一引き分けだよ!」
まだ三年生との試合が残っているが、もう優勝したかのような喜びだ。特に喜んでいるのが――
「先生! 二勝です! スゴいですよね!」
天然アフロにビン底眼鏡、担任の舘林だ。昨年、教師になって初めてのクラス担任が今年の魔法科一年だったのである。彼女もいろいろとプレッシャーを抱えていたのだろう。




