第40話 遠回しに私が攻撃的だって言っていない?
こうして、今日の実習は終わったのだが、明日の学年対抗戦に向けて、一年の秘密兵器だった美咲の弱点をさらしてしまったことにもなった。
「ねえ、これでよかったの?」
いまさら、(明日の前に余計なことをしてしまったのでは?)と、メグミは心配してしまうのだが――
「それでイイ。他の学年も風属性について対策を考えてくることだろう。今のうちに現実を知っておくべきだ」
メグミは「ふーん」と、なんとなくわかった気分になる。まあ、異世界の大賢者様がそう言うのだからそうなのだろう――
「ねえ、ところで聞きたかったんだけど、どうして鈴来さんに風属性の適性があるとわかったの?」
ダグラスは「ああ」とつぶやいたあと――
「オレのいた世界にも風属性の魔導士がいたのだが、なぜか性格がよく似ているんだ」
「性格?」
「そ。おっとりしていて、オドオドしているような――つまり、あまり攻撃性を感じない性格というのか?」
メグミは「ああ――」と声が出る。確かに美咲は引っ込み思案な性格だ。
「属性との相性は精霊の好み――なんて、言い伝えもあるくらいだ」
「精霊の好み?」
「風の精霊は自然を愛する、気持ちの穏やかな人物が好みらしい。逆に攻撃的な性格は火の精霊が好むってね」
「ふーん……って、それ、遠回しに私が攻撃的だって言っていない?」
ダグラスは黙って、メグミから離れて行った。
「ちょっと! なんか言ってよ!」
そして、学年対抗試合の日となった。




