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第34話 スゴい魔法使いにオマエはなる

 メグミを除籍するように、ダグラスは清野に頼んだ?

 その理由とは――


 現在の魔法教育は、この世界の生徒が有する一般的な魔力量に準じたカリキュラムとなっている。だが、メグミのそれは大きく逸脱しているため、同じ授業を受けた場合、大事故につながる可能性がある――

 ダグラスはそう説明するのだった。


「簡単に言えば、ドラゴンが人間とじゃれ合っている――そんな感じだ」

「えっ? ドラゴン!?」


 ドラゴンなんて生物はこの世界のどこにも存在しない。しかし、物語上には無数に現れる誰でも知っている『生物』だ。それほど巨大で超越した能力を持つ生物が一般人をちょっと小突いたとしよう。おそらく、人間は吹っ飛び即死する。つまり、そのくらい危険な状況なのだという。


「そ、そんな……」


 さすがにそこまでとは考えていなかったメグミ。混乱して言葉が出てこない。


「だがな、清野が強く反対したんだ」

「――えっ?」

「それこそ無責任だってな」


 すでに魔法が覚醒したメグミをそのまま放置する、そのほうが危険である。しっかり指導して、自分自身で魔法をコントロールできるように指導してほしい。そう、清野蓮に頼まれたそうだ。


「それにな……」

「それに?」


 ダグラスは一度言葉を飲み込んで、「いや、なんでもない――」と言う。


「ということで、オマエを個別指導することになった。それは、オマエが魔導士として自分の魔力をコントロールできるようになるまでだ」

 ダグラスが言うと、メグミは「わかったわ」と応える。


「ずいぶんと物分かりがイイじゃないか?」

「だってもう、それ以外に方法はないんでしょ? 私だって自分を『爆発物』だなんて思ってこの先すっと生きたくないもの。自分のカラダは自分でコントロールしたい。それに――」


 メグミは少し間を置いてこう言う。


「子供のころ、私、魔法少女に憧れていたの」

「魔法少女?」


 それは、魔法を使って悪人を懲らしめる少女。小さいころ、誰もが憧れた正義の魔法使い。


「あなたの弟子になったら、そんなスゴい魔法使いになれるかもしれないんでしょ?」

「――弟子か。そうだな、かもしれない……じゃない、スゴい魔法使いにオマエはなる。何百人もの魔導士を育ててきたオレが言うのだから間違いない」

「――えっ?」


 スゴい魔法使い……

 その言葉で、心の中にあったモヤモヤが吹っ切れた気がした。


 なんか、まだ実感が湧かないけど――なってやろうじゃないの! 魔法使いに!


 メグミがそう決心したとき、ドアの向こうでその話を聞いていた者がいた。その人物は、二人が気づく前にその場を離れていった。

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