第27話 暴力教師が迷惑をかけやがって――
「マグナマル先生。魔法の実習中、生徒を突き倒したという話を聞いたのですが、事実ですか?」
放課後の職員会議で、教頭の麻村からそんな質問をされる。
「あ、あれは大埜さんを助けようとして、先生がカラダを割り込ませようとしたときに、弾みで大埜さんが倒れてしまっただけで……」
演習場で一緒に実習を見守っていた舘林が説明するのだが――
「そうですか。助ける――とおっしゃいましたが、どう意味ですか? そんな危険な授業を行っていたのですか?」
危険という言葉に、舘林は「え、えーと……」と口ごもってしまう。
「いや、通常の魔法実習だ。オレが不注意で生徒に近づきすぎて、押してしまったんだ」
ダグラスの説明に、麻村は「ほう……」という声が漏れると――
「それでは、マグナマル先生側に過失があったと――そう理解していいんですね?」
ダグラスは「ああ、そうだ」とあっさり認めた。
「オマエ! それがどういうことかわかっているのか!? 幸いケガがなかったからよかったものの、そんなことが外に漏れたら大変なことになるんだぞ!」
学年主任の岳田が大声を出す。その声の方が、外に聞こえてしまいそうだ。
「まあ岳田君、落ち着きたまえ。しかし、その懸念も確かですね。今日は校長が不在ですが、戻りしだい私から報告させてもらいます。それと、生徒のご両親にもできるだけ早く謝罪したほうがいいですね」
麻村の言葉に、ダグラスは「わかった」と応える。
「ふん! 暴力教師が迷惑をかけやがって――」そんな岳田のつぶやきが、ダグラスの耳にも届いた。
会議終了後、早速ダグラスはメグミの母親へ電話して、状況説明と謝罪の言葉を伝える。
「そうなんですか? メグミからは何も聞いてませんが、わざわざ、ご丁寧にありがとうございます」
母親は気にしなくていいですよと彼に話すのだった。




