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第21話 別にどっちだっていいけど――

「な、なに! あの態度! もう許せない!」


 ダグラスが教室を出ていくと、亜紀はさっそく琴子とサナエを呼んで、ダグラスの悪口を言い始めた。


「こうなったら、次の競技会と言わず、すぐにあの異世界人には学校をやめてもらうわ」

「でも、どうやって?」

 三人とも黙ってしまう。


「そうよ、琴子のお母さんに頼んで、何かスキャンダルを見つけ出せばいいのよ」


 亜紀が名案とばかりに、そんなことを言う。

 琴子の母親はフリーの芸能レポーターで、今まで様々な芸能人の私生活を暴いてきた。


「でも、ただの高校教師に琴子のお母さんが動く?」

 サナエが至極全うな意見を述べる。


「それにママ、取材を兼ねたバカンスでハワイに行っているよ。あと一か月は帰ってこないわ」


 はぁ……とため息を吐く。


「やっぱり、亜紀のお父さんから手を回してもらうのが一番確実だと思うのだけど」


 亜紀の父親は国会議員である。当然、学校の理事会や保護者会にも顔が利くはずだ。


「それだけは絶対にイヤ!」

 亜紀が声を荒げるので、琴子もサナエもビックリする。


「ゴ、ゴメン。そんなつもりじゃ……」

 琴子がすぐに謝ると、亜紀もそれ以上追及しない。


「ねえ、ところであの異世界人の魔法って、そんなにスゴいの?」

「――えっ?」


 サナエの疑問に、三人は顔を合わせる。


「そういえば、アイツが魔法を使うのを見てないわよね?」

 亜紀は「フ、フ、フ」と笑う。


「きっと、アイツの魔法はたいしたことないのよ」

 亜紀の考えに、琴子は「そうとは限らないんじゃ……」と返すのだが――


「いえ、きっとそうよ! だから、今まで魔法を使ってないのよ! そうとなれば、今日の魔法の授業、アイツに魔法の手本を見せろ言うの。どう?」


 きっとボロが出る――そう亜紀は自信を持っているようだった。


「ねえ、メグちゃんはどう思う? 私はきっとマグナマル先生、スゴい魔法を使うと思うんだけどなあ」


 マナミはワクワクしている様子だが、(どうしてそこまで期待できるのか?)と不思議に思うメグミだった。


「まあ……別にどっちだっていいけど――」

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