第18話 魔法科廃止? 解散?
「亜紀! 大変よ!」
翌日のホームルーム前、西園寺琴子がそんな声を発しながら魔法科の教室に入ってきた。
「琴子、今度は何?」
「今度、臨時の保護者会議が行われて、魔法科廃止の是非を問うらしいよ」
琴子の発言で、教室は騒然となる。
「そ、それって、どういうこと!?」
「なんでも次の競技会で、私たち、一年生が優勝しなければ、あの異世界人はクビになって、ヤツを雇用した校長も責任を問われるらしいの」
職員会議の議事録を受け取った保護者会の会長から、早速、臨時会議の提案があったそうだ。
魔法科設立は清野蓮のほぼ独断で決めたことである。その彼女が校長や理事長職を辞任することにでもなれば、すぐに魔法科廃止が決まることだろう。たとえ辞職とまではいかないとしても、成果が上がらない魔法科の引責で発言力が低下する。そうなれば、魔法科廃止へ一気に傾いてしまうはず――
「ねえ、ねえ、どうしよう。夏季大会に優勝しないとマグナマル先生が辞めちゃうんだって」
琴子の話を聞いていたマナミがメグミとリナに向けて不安そうな顔をする。気にするところはそっちなの? と、メグミは呆れるのだが――
「まあ、別にアイツが辞めようが知ったことじゃないし……私は魔法科がなくなっても別にイイんだけど――」
魔法科が解散したら、自分たちはどうなるのだろう――
「他校の魔法科に編入か、この学園の普通科へ転籍になるのかな?」
「そんなの認めないわ!」
馳川亜紀が突然大声を出すので、クラスメイト全員が振り向く。
「魔法科廃止? 解散? あの異世界人のせいで、そんなことになったらたまったもんじゃないわよ!」
「だからって、夏季大会まであと二か月しかないのに、優勝なんてとてもムリよ」
亜紀の取り巻きである、盛サナエが先端だけピンクに染めた前髪を見ながらそう言う。
「――こうなったら、あの異世界人だけに責任を取らせて、魔法科は解散させないようにするのよ」
亜紀の考えに琴子は「解散させないって、どうすれば?」と尋ねるのだが――
「それを今から考えるの!」
その時、ホームルームを告げるチャイムが鳴り、舘林とダグラスが教室に入ってきた。挨拶のあと、舘林がノートを広げる。
「それでは、ホームルームを始めます……」
「その前にだ!」
ダグラスが教卓の前を舘林から奪うと、真新しいスマホを生徒に見せた。
「どうだ! スマホというモノを手に入れたぞ!」




