第13話 アンタ! 殺ス! 絶対に殺ス!
「ごめんなさいね、大埜さん! 大浴場は女風呂だけだから、部屋のユニットバスを使うようにお願いするのを忘れてしまって……」
大浴場から出てきたメグミ。すぐに寮母さんのところへ行くと、平謝りされる。
どうやら、ダグラスの言っていることは嘘じゃないようだ。この学校には男子寮がないため、民間のアパートが借りられるまで女子寮に住んでもらうこととなったらしい。
「でも、彼の部屋は一階の一番手前で、それより奥や、他の階へは行かない約束になっているのよ」
「そうだ、ちゃんと約束は守っているぞ」
ダグラスは平然と応える。
「約束以前に、女風呂に入らないという常識を守ってよ!! この犯罪者!」
「いや、あれは不可抗力だ。まあ、犯罪者という部分は否定しないがな――」
「ちょっと、寮母さん、警察呼んで!」
「メグちゃん? どうしたの?」
この騒ぎで、ちょうど帰ってきたマナミが近寄ってきた。
「あれ? マグリン? どうしてここに?」
ダグラスに気づいたマナミがそう言う。マグリン?
「マグナマル先生だからマグリンだよ」
ヘンなあだ名を付けないでと考えるメグミであった。
「おお、藍川か。オマエもここに住んでいるのか? オレも今日からここに住むことになったから、よろしくな」
「そうなんだ。ヨロシクね、マグリン!」
「ヨロシクね――じゃないでしょ!? ここは女子寮でしょ!? まずはオカシイと思いなさいよ!」
マナミに文句を言うのだが――
「メグちゃん、なんでそんなに興奮しているの?」
「オレのハダカを見てから、なぜかこんな調子なんだ」
ダグラスは大浴場での出来事をマナミに話した。
「そうなの?」
「アンタ! 殺ス! 絶対に殺ス!」
ダグラスの襟元を掴んで、涙を流しながらメグミは叫んだ。
結局、学校への登下校以外、自分の部屋から一歩も出ないことをダグラスに約束させ、メグミたちは別れる。そのまま、自分たちの部屋に入った。
「メグちゃん、厳しいね。別にリビングくらいは出入りしても良かったんじゃない?」
「ダメよ! あんな変態、野放しなんてしたら大変なことになるわよ!」
そんなに悪い人じゃないと思うけどなぁ……と、マナミはつぶやいたあと――
「それでメグちゃん、どうだった?」
「――? どうだったって?」
「マグリンのカラダだよ。異世界人もこの世界の男の子と同じだったの?」
「――えっ?」
メグミの脳裏に、真っ裸のダグラスが浮かび上がってくる。
「し、知らないわよ!!」




