第11話 ああ、生き返るぅ
「あー、今日は最悪……」
女子寮に戻ってきたメグミはランニングで掻いた汗を洗い流すため、早速、寮の大浴場へ向かった。ゆっくり浸かって、疲労やストレスを癒したい――そんな気分だったのだ。
魔法科の生徒は全国から集まっていた。なので、魔法科創設に合わせて建てられた女子寮に魔法科生徒の過半数が住んでいる。埼玉出身のメグミもここの寮生だ。週末以外は寮で暮らしていた。
「それにしても……」
異世界からやってきた自称『大賢者』は、魔法科の副担任になったかと思えば魔法の授業なのに生徒をただ走らせるだけ。魔法を教える気配さえなかった。
本当に魔法を教えるつもりがあるのか? そもそも、異世界人だからって魔法が使えるのかも怪しい――なぜ、そんな男に先生をやらせる気になったのか? 学校側の対応にも疑問を持ってしまう。
「まあ……召喚したのは私だけど」
メグミは昨日のことを思い出していた。召喚魔法の時に感じた手ごたえ。何かスゴい相手と闘って、勝ち切った――そんな感覚、今から考えてもゾクゾクする。あれは何だったのだろう……
「まあ、イイか……ああ、生き返るぅ」
女子寮には各部屋にバスルームが用意されているのだが、それとは別に大浴場もある。二十四時間、いつでも入浴できるという高校の寮とは思えない設備で、入寮生に大人気だ。
寮に戻ってきた生徒は真っ先に大浴場へ向かうのが普通なのだが、今はめずらしくメグミ以外誰もいない。この大きな空間を独り占めできるは、まさに至福であった。
嫌なことはとりあえず忘れよう……そんなことを思いながら湯船に入っていると、脱衣所に人影が……(誰かが帰ってきたのかな?)そんなことを考えていると、浴室の扉がガラガラ――と空いた。
(――――――――えっ……………………?)




