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スライム退治の成果

 スライムを狩り終えた後、昨日作った祭壇を確認して帰ることにした。

 森の中を歩いていると、イロリナが「こっちよ」と案内してくれる。


 いや、マジで助かる。正直言ってこの森の中は全然方角がわからない。景色の違いも感じ取れないし、彼女がいなかったら間違いなく遭難していただろう。


「森の中がどうなってるかわかるのか?」


「まあ、長く冒険者やってるからね。コンパス持ってるし」


「コンパスだけで正確にわかるもんなん?」


「慣れよ、慣れ」


 いや、慣れる気がしないけどなぁ。実は冒険者のスキルなんじゃないか?


「イロリナって、冒険者の練度はどのくらいなんだ?」


「あたし? ギルドでのランクは五ツ星だって言わなかったっけ?」


「いや、ギルドのじゃなくて、Jobの方」


「そっちか。それなら三ツ星よ。Jobの練度はどうやって上がるのかよくわかっていないのよ。一般に、魔物を退治すれば練度も上がるって言うから、高レベルの人間がJobの練度も高いことが多いんだけど……何でかあたしの練度は高いのよね」


 それは単純に職業能力が高まっているからじゃないのか?

 冒険者として魔物を退治しなくても、何かしら冒険をしていれば熟練していくと思うけど。

 待てよ……それなら、このまま森を彷徨ってたら冒険と捉えられて、冒険者の練度が上がったりしないかな。それなら一石二鳥だけど……駄目だ、比較ができない。ここまで魔物もいくつか退治してしまっている。それはまた別の機会にしておこう。


「あれね、あったわよ」


 ふとイロリナが木の枝を指さす。そこには確かに昨日備えた祭壇が残っていた。祭壇の中身の輝石も確認しておく。うん、別に盗まれたりしていない。このままここに祀っておこう。

 余談だが、輝石はそんなに大きなものじゃない。精々クルミぐらいの大きさで淡く輝いている。無理に取り出そうとすれば取れなくはないが、そこまで石に飢えている人間もいないのか。それかこの箱が怪しくて近づき難かったか。多分後者だろうな。俺なら近寄らない。


 LUKの回復にもう一度イロリナに踊ってもらおうかとも思ったが、今日はここまで彼女に大分頼っている。魔物こそ俺が倒しているが、彼女が疲労して道がわからなくなったら大事だ。今日は何もせず戻ろう。



 森の中に長い事いたようで、パーシェスの村に戻る頃には日が暮れかけていた。雑貨屋は日没後もしばらくはやっているそうだ。いずれにしても、まずは冒険者ギルドで換金をしないと何にもならない。

 羽帽子の看板が目印になっている冒険者ギルドの扉を開くと、今日はいつもより人がいた。受付もサントスだけでなく三人ほどで応対している。意外と人がいるんだな。やっぱり、というか、サントス以外の受付は皆女性でサントスは暇そうにしていた。


「サントスー、討伐と達成確認おねがーい」


 イロリナがサントスに話しかけた。まあ、女性じゃなくても良いんだけど。空いてる方が時間の節約にもなるし良いんだけど。サントスだけ暇してるのって何か訳がありそうじゃない。厳ついオッサンだしさ、ちょっと花がある所に行きたいと思っても悪くないだろ?


「おう、お帰り。ユウゴだったな。今日は何を狩ってきたんだ?」


 そんな思いとは裏腹に、サントスは俺の肩を見ながらそう話す。多分、星の位置を覚えていたんだろう。ま、時間無いし、明日には出発予定だし、文句を言ってもしょうがないし。サントスにしっかり見てもらおう。


「今日は変なのは狩ってないぞ。受注したクエストのスライムを五体に、ゴブリンとゴブリンロードが何体か」


 スライムはしっかり数えていたが、ゴブリンは途中でめんどくさくなって数えるのをやめた。


「曖昧だな……まあいい。星を見ればすぐわかるからな。見せてみろ」


 そう言われて、俺は左の背中を見せる。サントスが手をかざし戦闘の記録を読み取っているようだ。


「ゴブリンが十体にゴブリンロードが五体、ゴブリンメイスが五体、それにスライムが五体か。頑張った方じゃないか? って、スライムの倒し方は……また変な事やってんなぁ……」


 戦闘の記録をあらかた見終わったサントスにぼやかれる。


「星の記録を読むと戦い方もわかるのか?」


「そうよ。どんな魔物に遭って、どんな風に戦ったのか。勝てなくても逃げてきたのか。それがちゃんと記録されているの」


 イロリナが答えてくれた。ふーん、便利なんだな。その分インチキも出来ないみたいだけど。


「火でやっつけるのは普通なんだろ?」


「火の出し方が変なんだよ」


 普通、キセルの煙が火炎になることは無いだろ、と付け加えられる。まあ、ガチャ産の武器だから不思議な効果があったってことで。実際その通りだし。


「まあ、まずは達成報酬の銀貨三枚に輝石が三個だな。それと、討伐報酬が銀貨十枚に銅貨が五十枚だな。星も見てみるか?」


 んー、割と銀貨が集まってきたな。これならランクアップしててもとりあえず当面は凌げる。一応見て貰おうか。


「ああ、頼む」


「んじゃ、こっちに来い。そう、そこだ。どうだ? 星の辺りになんか感じるか?」


 そう言われたが特別何も感じなかった。今回は星は貰えないようだ。ゆっくりと首を横に振る。


「ま、星が貰えるかどうかは無料で見てやるからな。もっと多くの依頼を受けて頑張るんだな」


 確かに、まだ依頼数としては三個だ。四ツ星と言えば、現在確認されている七ツ星のランクの半数を超える事になる。いくらそこまでは簡単に上がると言っても、絶対数が少なすぎるか。


「じゃ、これが今回の達成報酬と討伐報酬な。まあまあ稼いでる方だろう。この調子で頑張ってくれよ」


 ドン、と小袋を渡される。中には銀貨と銅貨、それに輝石が入り交じっていた。今回は二袋くれないんだな。


「それなんだけどね、ユウゴの転職も兼ねてシーボの町に行こうと思うの」


 突然、イロリナが事情を説明し始めた。彼女からすれば、『百花繚乱』を狙ってそれなりに長い事この村にいたことになるのだろう。ある程度情が沸いていても不思議でもない。


「おお、そうなのか。そりゃまた寂しくなるな。腕のいいルーキーが入ったと思っていたんだが……これだけ魔物を狩っていればすぐに転職も出来るだろうよ。その内また来てくれよな」


「ええ、あたしはこの村、割と好きだからね」


「ああ、俺も嫌いじゃない。ここでやっていない常設クエストもあるし、レベルを上げてまた来るよ」


「ハッハッハ!! 言うじゃねえか。今度会う時には五ツ星にでもなってくるんだな!」


 五ツ星か。イロリナと同ランクってことになるが……そこまでは中々上がらないんだろ?

 そりゃ当分先の話になっちまう。森の祭壇も気になるし、ちょこちょこ帰ってきたいんだけどな……


「まあ、なってたらいいな。そんなにすぐ慣れるとは思わないけど」


「あたしも五ツ星だし、ユウゴなら装備の力もあるからすぐだと思うよ? 流石にシーボに行ってすぐ戻ってきて五ツ星ってのは難しいだろうけど……」


 そういや装備は七ツ星だもんな。レベルが上がっていたらイロリナに上げるんだけどな。

 レベルで思い出した。ステータスもチェックしていかないとな。サントスに挨拶をして、識石の所へと向かう。


「ステータスオープン」


 もうこれにもすっかり慣れたものだ。識石にステータスが並び始める。


Name:ユウゴ

Age:20

Level:18

Job:冒険者

Type:人族

HP:135

MP:30

STR:38

VIT:38

DEX:30

AGI:28

INT:22

CHR:32

LUK:321


 LUKがまた下がってんな……あ、今日祀ってないからか。

 Levelはもう少しで20だ。20になったらクランを組んでイロリナに『百花繚乱』を渡せる。

 そうしたら、もう少しパーティらしい行動ができるかな。

 出来れば、気遣いあえるパーティに成れると良いんだけど。

 ひとまず、冒険者ギルドでやれることも終わったし、雑貨屋で遠征の道具を揃えよう。それで、シーボに行って転職だ。

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