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セカンドガチャ

 パーシェスの村に戻ったのはまだ日も高い内だった。クエストも終了したし、貧乏神様を祀るのも一息ついたので早々に帰って来たのだ。


「じゃ、早速ギルドに行ってみよっか」


「ああ、輝石もまだ残ってるし、一回ガチャしても良いかな?」


「ええ、もちろんよ。でも、先にステータスチェックしましょ」


 そう言って彼女はギルドへ向かっていった。


 結局、『百花繚乱』をイロリナに渡したとして、俺が強い装備をもう一度引き当てれば良い、と言う結論に至った。そう簡単に狙った物が出るとは思えないが、あのLUKなら五ツ星くらいなら簡単に出そうなのが怖い。

 それと、イロリナが言うには、この世界では七ツ星の装備と言うのはまず出ないものらしい。それこそ大地震とか未曽有の天変地異のように、何十年に一度出るか出ないかと例えられるくらい。実際、昨日はギルド職員は全員早めに帰宅して戸締り、避難用具を確認してから眠ったそうだ。

 ゲームだと一パーセント未満の確率と表記が出てたから、それが本当なら一万人に一人は七ツ星が出る計算なんだけどな。そう都合良くはないみたいだ。



 ギルドに着くと、まずはステータスチェックを行う。頼むよー、LUK、上がっててくれよー……


「ステータスオープン」


 識石に手を翳しすっかり慣れた文言を告げると次第にステータスが浮かび上がってくる。


Name:ユウゴ

Age:20

Level:12

Job:冒険者

Type:人族

HP:115

MP:22

STR:32

VIT:33

DEX:30

AGI:20

INT:15

CHR:28

LUK:65536


 よしっ!! ちゃんとLUKが上がってる!!


「まさかほんとだと思わなかったわ……」


 イロリナはそれを見て呆然としている。どうも信じていなかったみたいだ。


「あたしとしては嘘だとしても楽しかったし、『百花繚乱』をくれるって言ってくれたからその対価だと思って付き合ってあげたんだけど……これじゃ信じざるを得ないわね……」


 ひでぇ……半信半疑どころかほとんど疑ってたんじゃないか。抗議の念を込めて睨んでおく。


「ごめんって! でもこれならまたいい装備が出せそうね」


 ウインクをして舌を出しながら謝られた。

 ああ、もう! だから仕草が一々可愛いんだってば!! 許しちゃうよ、畜生!!


「じゃ、今度こそガチャ、してみるか」


「ええ、期待してみてるわ」


 俺たちは頷きあいガチャの像へと向かう。生前、微課金ながら散々爆死させられたあいつにリベンジする時だ。


「いらっしゃ……ま、また来たんですか……?」


 昨日の受付嬢が怯えを交えて応対してくれる。


「ああ、昨日のはイロリナに渡すことになってるからな。俺の分の装備が無いんだ。今日もお願いします」


「そ、そうですか。では、何回しましょう?」


 そうだな、イロリナに借りてた分を返して、御神体に使った分を差し引くと、今残っている輝石は十個。全部で二回しか引けない。全く石がなくなるって状況も避けておきたいし、当初の予定通り一回にしよう。


「一回で」


「かしこまりました。では、石をどうぞ……」


 受付嬢に石を渡して奥へと進み、ガチャ像と二度目の邂逅を果たす。よし、見てろよ。『百花繚乱』にも負けない良い武器を出してやるからな。


「行くぞっ! せぇーのぉっ!!」


 思いを込めてガチャ像の前にある剣を突き刺す。像の眼が赤く輝いた。

 それに、鼻から煙が出ている。


 煙は……属性示唆だったか?

 でも鼻から出たりはしなかったような……


 前回同様、像の口が開き、周囲が光に包まれやがて収束していく。あとには細長い筒状の物が残っていた。


「これは……キセルか?」


 長物と言うには短すぎるがトンカチよりもリーチは長い。俺の腕一本分くらいはあるか?

 煙草の葉っぱを入れる部分に俺の背中にある星と同じものが小さく六個ついている。六ツ星か。


 キセルを手にイロリナと受付嬢の元に戻っていった。


「凄いね、ユウゴ。七ツ星の後は六ツ星? どれだけ強運なのよ」


「全くです。あんまりいい装備ばかり引かれると逆に自分は出ないんじゃないか、と旅人が減ってしまうので程々にしてください」


 いや、これは完全に運だから、俺に言われても……

 まあ、理屈はわかるけどな。独立抽選だ、と言われても散々当たりが出た後はガチャしにくいのと一緒だ。もう出ない、と思ってしまうのは人間の心理だろう。


「それはまあ、運だから。ラッキーだった、ってことで許してよ」


「まあ、不正は出来ませんし……そこは仕方ありませんけども」


「それで、その道具は何? なに?」


 イロリナが目を輝かせている。こいつ、ただ単に高レアリティの物が好きなだけじゃないだろうな……


「ええっと、それは『紅蓮の煙管』ですね。実際に火皿に葉を詰めれば煙管としても使えるようです」


 受付嬢が教えてくれる。何でこの人わかるんだろう……?

 不思議そうにしていた俺に気付いたのか、すぐに彼女は答えてくれた。


「この本にはガチャから出るとされる装備品と簡単な説明があらかた載っています。昨日七ツ星が出たので、ついでに六ツ星の装備も見直していたんですよ」


 へえー、便利なものもあるんだな。


「あ、それってどんなのがあるのか教えて貰えるの?」


「ええ、でもこの村特有の装備は『百花繚乱』だけですよ? それ以外はどこのギルドでも出てきます」


 何でも、それぞれのギルドのガチャに必ず違う七ツ星装備が一つは配置されているそうだ。で、パーシェスの村には七ツ星は『百花繚乱』だけで、それ以外はどこのギルドでも排出される、と。


「じゃ、見てもあんまり意味ない……?」


「まあ、ここで見るより別のギルドでお目当ての物を探した方が良いかもしれませんね」


 百花繚乱をダブらせるより違う武器の方が攻撃にバリエーションが出るもんな。確かに、言う通りだと思う。


「ん? てことは、ここでガチャする意味も……」


「まあ、あたしは最初から七ツ星が連続で出るなんて思ってなかったし?」


 こ、この野郎……


「そ、それより! ちゃんとクエストをこなしてレベルを上げる方が先決だと思うな! 約束は早く果たした方が良いと思うの!!」


 再度イロリナを睨みつけるが上手く躱されてしまった。

 はあ……ま、そうだろう。

 何十年に一回が二日続けて出るとも思えないし、ギルド固有の装備を除けば六ツ星装備だって十分高ランクの装備だ。キセルをどう使って良いかはよくわからないが……

 とりあえず、二戦目のガチャはまずまずの結果だったとして良いだろう。

ガチャのパーセント表記を修正しています。

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