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世界が静かに分かれはじめた日ー先に高く積み上げた者と、静かに深く根を張った者ー  作者: suu369


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届かせたいもの

思いがけない出会いが、

男の人生を動かし始める。

畑の男


「あなたの野菜を、もっと多くの人に届けたいんです」


突然の言葉に、男は、戸惑った。


「どうして……僕の野菜を?」


男は、その人を知らない。


相手は、男の野菜についてよく知っていた。


「食べた人が、また食べたいと言っているんです」


その言葉に、男は、黙った。


今まで、

自分の畑は、小さい。

自分には、力がない。


そう思っていた。


知らないところで誰かが、

自分の野菜を待っている。


「......もう少し、話を聞かせてもらえませんか?」


男は、初めて、

自分から一歩踏み出した。


成功した男


その頃。


成功した男のスマートフォンには、

たくさんの通知が届いていた。


仕事の連絡。

SNSへのコメント。

新しい依頼。


誰もが男を必要としている。


なのに・・・。


男は、画面を閉じた。


部屋には、

誰もいない。


ふと、

昔の自分を思い出した。


「俺は、何を追いかけてるんだ......」


そのとき、


一件のメッセージが届いた。


「あの畑の野菜、最近かなり評判ですよ」


男は、画面を見つめた。


小笑いした。


「......あいつが?」


その夜。  


畑の男は、

いつものように土を見ていた。


今日は、

いつもと少しだけ違う。


自分の野菜を、

もっと遠くへ届けられるかもしれない。


まだ何も決まっていない。

成功したわけでもない。


それでも・・・。


男は、思った。


「やってみよう」


その一歩が、

やがて男の人生を、

大きく変えていくことになる。


同じ頃ーー。


成功した男もまた、

久しぶりに、

あの畑へ行くことを決めていた。


二人の人生が、

再び交わろうとしていた。

けれど、、、。


その変化を面白く思わない男もいた。

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