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世界が静かに分かれはじめた日ー先に高く積み上げた者と、静かに深く根を張った者ー  作者: suu369


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初めて聞いた本音

人は、

本当に苦しくなったとき、

隠していた自分を見せる。

「......少し、話せるか」


成功した男が言った。


畑の男は...

手を止めた。


「いいよ」


二人は、畑の端にあるベンチに座った。


しばらく・・・。


何も話さなかった。


風が吹き、

畑の葉が揺れていた。


成功した男が、

ぽつりと言った。


「俺さ......」

「うん」

「今まで、全部、自分の力だと思ってた」


畑の男は、黙って聞いていた。


「仕事も、人脈も、金も......。

俺には、才能があるから、

ここまで来られたんだと思っていた」


男は、下を向いた。


「でも...父さんがいなくなったら、

 何も思い通りにいかなくなった」


初めてだった。


人に弱さを見せるのは・・・。


「......俺、何も持ってなかったのかな」


・・・・・。


すぐに...答えなかった。


・・・・・。


言った。


「そんなこと、ないんじゃないか」


成功した男が顔を上げた。



「え?」

「今までやってきたことまで、

 全部なくなったわけじゃないだろ」


・・・・・。


言葉を失った。


「俺だって、何度も自信なくしたよ。

 お前に言われたことも、覚えてる」


成功した男の表情が変わった。


「......悪かった」


小さな声だった。


・・・・・。


畑の男は、

少し驚いた。


・・・・・。


あの男が謝った。


初めてだった。


「でもさ」

「俺も、まだ成功したわけじゃない。

 これからどうなるかなんて、わからないよ」


成功した男は、

ゆっくりとうなずいた。


・・・・・。


そのときだった。


「社長!」


スタッフが走ってきた。


「大変です!

 大口の取引先から電話が......!」


立ち上がった。


「どうした?」

「予定していた注文を、

 全部キャンセルしたいそうです。」


・・・・・。


笑顔が消えた...。


成功した男も立ち上がった。


二人は、顔を見合わせた。


人が集まり始めた畑。


その足元に、、、

初めて大きな影が差し始めていた。

一人は、

初めて弱さを見せた。


もう一人には、

新しい試練が訪れた。


二人が手を組む日は...

思っていたより近いのかもしれない。

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