もう一度、会う日
一度、離れた道が、
また交わることがある。
畑の男は...
朝から忙しく動いていた。
取材のあとから、
注文が増えた。
電話。
メール。
新しい問い合わせ。
今までとは...
明らかに違っていた。
「こんなに来るとはな......」
・・・・・。
苦笑いした。
「急に大きくするのはやめよう」
そう決めた。
今までと同じように、
一つずつ。
丁寧に。
その頃・・・。
成功した男は。
一人で車を走らせていた。
向かっている場所はーー。
あの畑。
「......何しに行くんだ、俺は」
自分でも分からなかった。
昔の自分なら...
こんな場所に来る必要などないと思っていた。
・・・・・。
今は違う。
父の力もない。
以前の人脈も、
少しずつ離れている。
そんな中で・・・。
あの男は...
何も持っていないように見えたのに...
少しずつ、何かを作っていた。
車を止める。
畑の向こうに、
男の姿が見えた。
「......久しぶりだな」
声をかける。
畑の男が振り向いた。
一瞬・・・。
二人とも...黙った。
・・・・・。
「...来たのか」
「......ああ」
以前のような、
笑い声はなかった。
成功した男は、
畑を見渡した。
小さかった畑が、
少しだけ広くなっている。
人もいる。
注文の箱も積まれている。
何より・・・。
そこにいる人たちが、
みんな男を頼っていた。
成功した男は、
小さく息を吐いた。
「......本当に、続けてたんだな」
畑の男は、答えた。
「うん」
・・・・・。
間を置いて...。
「まだ途中だけどな」
その言葉を聞いた瞬間。
成功した男は...
何も言えなくなった。
昔は、
自分には...ないものが、
そこにあるように見えた。
二人の再会は、
ここから始まる。




