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世界が静かに分かれはじめた日ー先に高く積み上げた者と、静かに深く根を張った者ー  作者: suu369


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13/30

試されるとき

大きなチャンスには、

大きな試練もついてくる。



大きな仕事が決まってから

畑は、忙しくなった。


注文は、増えた。


・・・・・。


順調なことばかりではなかった。


ある朝、畑を見ると...

野菜の一部が弱っていた。


「......まずいな...」


天候の影響だった。


このままでは、

約束した量を届けられない。


「どうしますか?」


男は...

畑を見つめた。


逃げることもできる。


できないと言うこともできる。


・・・・・。


ここまで信じてくれた人たちを、

裏切りたくなかった。


「できるこを、全部やろう」


そう言った。


その頃。


成功した男は、

父親の会社の資料を一人で見ていた。


数字。

契約。

取引先。


今まで知らなかったことばかりだった。


「......こんなにあったのか」


父親がいなくなれば、

自分には、何も残らない。


そう思っていた。


よく見ると・・・。


自分が今まで関わってきた仕事も

いくつかあった。


資料を閉じた......。


「俺は......何もできないのか?」


初めて、、、。


誰かの名前ではなく...

自分自身の力で立つことを考え始めた。


その夜。


畑の男は、

一人で畑に立っていた。


月明かりの下で、

弱った野菜を見つめる。


「大きな仕事って……

 こういうことなんだな...」


簡単ではない。


怖い。


それでも・・・。


男は、土に手を入れた。


「ここで逃げたら、今までと同じだ」


朝までには、

まだ時間がある。


男は、一人で、

作業を始めた。


・・・翌朝。


畑にやってきた仲間たちは、

目を疑った。


昨日まで弱っていた畑が、

少しずつ立ち直り始めていた。


「......これ、全部やったんですか?」


男は、笑った。


「みんなが来る前に、

 できることをやっただけだよ」


その姿を見て、

仲間たちは、初めて気づいた。


この男は、

大きな仕事を任されたから、

変わったんじゃない。


小さなことを、ずっと大切にしてきたから、

大きな仕事を任されたのだ。


その頃・・・。


成功した男のもとには、

父親から一通の手紙が届いていた。


そこにはーー


「これからは、お前自身の力で決めなさい」


と書かれていた。

一人は、

目の前の壁に立ち向かった。


もう一人には、

一通の手紙が届いた。

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