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世界が静かに分かれはじめた日ー先に高く積み上げた者と、静かに深く根を張った者ー  作者: suu369


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12/31

それぞれの朝

同じ朝を迎えても、

二人の歩く道は、違っていた。

朝、


男は、いつもより早く畑に来た。


今日から・・・。

今までとは...違う量の野菜を、

作らなければならない。


不安は、あった。


「本当に自分にできるのか・・・。」


そう思った。


土に触れると少し落ち着いた。


今までやってきたことは...

何も変わらない。


一つずつ育てる。

一つずつ届ける。


ただ......。


それが増えただけだ。


男は、

畑を見渡した。


「よし......やろう」


同じ朝。


成功した男は、

一人で会社の机に座っていた。


昨日までなら、

たくさんの人が周りにいた。


電話も鳴っていた。

予定も埋まっていた。


今日は、違った。


父親が作ってきたものが、

少しずつ崩れている。


今まで自分が「自分の力」だと思っていたもの。


それが、、、。


本当に自分だけの力だったのか...。


男は、

初めて考えた。


そのときーー。


机の上に一枚の紙が置かれていた。


そこにはーー。


今後の取引について書かれていた。


・・・紙を握った。


「......俺は、何を持ってる?」


答えが出なかった。


畑では・・・。


男のもとに...

新しい仲間がやってきた。


「今日から手伝わせてもらいます」


・・・驚いた。


「本当に大丈夫ですか?」

「はい。

 ここの野菜を食べてみて、

 一緒にやってみたいと思いました」


男は、笑った。


一人で始めた畑に......


一人、

また一人と、

人が集まり始めていた。


まだ大きな会社ではない。


まだ成功者と呼ばれるほどでもない。


それでもーー


男の人生は、

確実に変わり始めていた。


その頃ーー


成功した男は、

初めて一人で、

自分の人生を立て直す方法を、

考え始めていた。


二人の男は、

同じ朝を迎えながら、、、


まったく違う場所で、

それぞれの「これから」と向き合っていた。

一人は、

新しいものを手に入れようとしていた。


もう一人は、

失いかけたものと向き合っていた。


二人の物語は、

ここからさらに動き出す。

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