46 お姉ちゃん、私は元気だよ。
「お姉ちゃん、私は元気だよ。」
「それはよかったわ。あなたが眠りについてから初めての惑星直列だから楽しみにしてたのよ。」
「私も。惑星直列でないと力を出さないとだからね。」
「そういえば、この前地球から火星に探査機が行ったでしょ。」
「うん。確かキュリオシティ探査車だったかな。」
「大丈夫だった。」
「平気だよ。何かあったの。」
「火星から持ち帰った中に有機物が発見されたって騒いでいたのよ。」
「かなり昔の粘土質からでしょ。湖の底に堆積したものよね。」
「それって、もしかして?」
「そうだよ。お姉さんと分離した時のだと思う。」
「じゃあ、地球産よね。」
「うん。でも。ほら、有機物の元なんて、そこら中に漂ってたでしょ。火星産かもよ。」
「地球産でも火星産でも、育たなかったのよね。」
「うん。地球と違って火星は寒暖差が大きいからね。」
「寒暖差ってもんではないでしょう。平均温度がマイナス63℃なんだから。気圧だって地球の0.6%なのよ。」
「そうだね。」
「有機物があったって、育たないわよ。」
「うん。ぬか喜びさせちゃったかなあ。」
「そんなことないわよ。地球人は彼らなりに私たち星を理解しようとしてくれてるんだから、少しづつ私たちを理解してくれればいいのよ。」
「それなら良いんだけど。」
「でね、またお邪魔する計画があるみたいよ。騒がしくなるけど、よろしくね。」
「任せて。」
「それより、金星のお姉さんとも話したんでしょ。どうだった。私は、まだ話せてないのよ。」
「うん、あのね……。」
* * * * *
「なあ、ハレー。」
「何でっか。」
「惑星直列って、必ず私も入るよな。」
「そうでんな。」
「私の存在、忘れられてるよな。」
「仕方ないわ。久しぶりの姉妹の直接会話や。金星はんと火星の嬢ちゃんの時もこんな感じだったんでっしゃろ。口をはさんで金星の姐はんにぷんぷんされたらしいでんな。」
「そうだが、挨拶ぐらいあっても……。」
「やめときなはれ。どこの時代もどこの場所でも女性の会話に口を出してはなりまへん。」
「私は、太陽神だよ。」
「それでもや。初代殿に言われてましたや。」
「そうだが。」
「今回は、聞かれない限り、口を突っ込んではなりまへん。」
「ちょっと、寂しいぞ。」
「もっと、どっしり構えなはれ。」
「努力するわ。」
読んでいただいて、ありがとうございます。
科学的には、地球と火星は独立した星です。地球から分離した星ではありません。




