45 ネエネエ、おじいちゃん。
「ネエネエ、おじいちゃん。何かがこっちに来るの。」
「どこだ。」
「ほら、淡い青いリボンみたいな光。」
「ああ、来るな。考えられんが、あれはストリーマーだ。」
「ストリーマー?」
「今はないが、分子雲から惑星系円盤へと物質を供給する役割だ。太陽系のストリーマーは太陽が恒星になった時に役目を終えたはずだ。」
「でも、こっち来るよ。」
「お前めがけて来とるなあ。」
「エー、どうすればいいの。」
「あれは、太陽が吸収できなかったストリーマーだろう。不思議だが、散り散りになって、どっかで存在していたんだろうな。」
「おじいちゃん、もうすぐそこだよ。」
「大丈夫だ。きっと姫星のことを感じて少しずつ集まってきたんだろう。」
「私が、原因なの。」
「悪いことではない。ストリーマーは原子星にガスを提供するんだ。」
「私は、原子星なの。」
「ああ、星の赤ちゃんだろう。」
「そうだけど…。認められたってこと。」
「そうだ。ストリーマーはもっと青いんだが、太陽が恒星になって約50億年だ。薄くなってしまったんだろうな。だから、生き延びていたんだろう。」
「私は、どうすればいいの?」
「怖がらなくていい。素直に受け入れろ。」
「はい。頑張る。」
* * * * *
「姫星よ。大丈夫か。」
「うん。おじいちゃん、この感覚って?」
「ああ、儂にもわかる。星に近づいたな。」
「なんか、ブラックホールの部分があいまいになったっていうか、どうして?」
「ブラックホールの吸引力が重力に変わりつつあるんだろう。」
「ストリーマーのおかげ?」
「わからん。だが、お前さんが恒星の卵になったんだよ。」
「そうか。」
「大丈夫か?」
「うん、ブラックホールのお母さんとのつながりが薄れたようで、ちょっと寂しいけど、これは、私が決めたことだもの。大丈夫だよ。」
「そうか。」
「それに、わかってくれるおじいちゃんもいるしね。」
「それなら何も言わん。ただな、まだ隠れていたストリーマーがやってきそうだぞ。」
「受けて立つわよ。早く赤ちゃんから脱却よ。」
「楽しみだな。」
「うん。」
(捕捉:もう、太陽系にはストリーマーは存在しないそうです。)
読んでいただいて、ありがとうございます。




