41 土星はん、今回は大きいわ。
「土星はん、今回のスポークはいつもより、大きいわ。」
「そうみたいだね。」
「リングに模様が増えてええじゃあないですか。放射状のすじ模様が、これでもかって主張してますやんか。何か不満でも。」
「不満どころか、スポーク現象も、僕は全く関与してないからね。」
「これも衛星はんの仕業でっか?」
「そうなんじゃあない。僕が知らないんだから。」
「きっと、タイタンに聞けばわかりまっせ。」
「聞かないよ。」
「なんででっか。」
「せっかく、衛星たちが僕を驚かせたり感激させたり考えてくれてるからね。」
「誰だか知らなくっても構わないんでっか。」
「うん。下手に褒めると後が大変だからね。」
「でも、衛星はん達の頑張りは褒めてやらんと。」
「わかってるよ。だから、毎回、こうやって眺めて楽しんでるのさ。」
「言葉は要らんのでっか。」
「そう。主星は、無言で態度で示すんだよ。良きかな、良きかなってね。」
「衛星はんが多いと、大変やわ。」
「そうだけど、みんな仲良しだからね。どうにかなるもんだよ。」
「タイタンのおかげですやろ。」
「そうとも言うね。」
「タイタンを褒めたらどうや。」
「ヤダね。」
「なんでや。」
「彼奴は、僕が何も言わないから、好き勝手に僕の悪口を言えるんだ。その楽しみを潰せないだろ。」
「あんさんも、いろいろ考えてまんな。」
「僕は、気遣いの惑星だからね。」
「へいへい。」
「スポーク現象だって、すごいよね。」
「いつも、すごいやないですか。」
「違うよ。スポーク現象は、太陽の磁場を計算して、短時間でも現れるようにああやって作ってるんだよ。僕にはできないね。」
「良いんですか。そんなに褒めて。」
「誰に言ってるのか僕にはわかれないからね。それに、僕に出来ないことをしてるんだから、すごいって認めないとね。」
「まあ、ワテにもできまへんな。」
「そうだろ。僕の衛星たちは、みんな優秀なんだ。」
「土星はんの手柄やあらしまへん。」
「そんなことないね。衛星たちは、僕を楽しませるためにやってるんだから、僕のお手柄さ。」
「また、タイタンに怒られまっせ。」
「良いんだ。それがタイタンの楽しみだからね。」
「あんさんの話を聞いてると、物凄く良い主星に聞こえまっせ。」
「事実、そうだろう。」
「ワテには、衛星はんたちに丸投げして苦労を掛けてるように見えまっせ。」
「なんとでも好きに言ってよ。僕は、これで良いの。主星は黙って見守るのみ。」
「優秀な衛星はんたちでよかったわ。」
「僕も衛星たちも優秀なの。」
「へいへい。そうやな。」
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