37 姫星、無理してないか。
「姫星、無理してないか。」
「ハーレー叔父さん。こんにちは。大丈夫してません。」
「あんさんはまじめよってな。根詰めたやないかと心配したわ。」
「そうなるとみんなが止めてくれるんです。」
「そりゃ頼もしいわ。」
「頼りになる仲間です。」
「フリーネットにも、そないな仲間ができるといいなあ。」
「フリーネットって。」
「すまん、口に出てたか。」
「はい。」
「フリーネットは、ワテが拾った迷子の自由浮遊惑星だ。生まれたとたてのホヤホヤでな。」
「自由浮遊惑星って、太陽系にはいませんよね。」
「よく勉強してるな。えらい、えらい。」
「えへへ、嬉しいです。褒めていただいて。」
「小さすぎて、わけわからんうちに太陽系に入ったみたいやで。小さいから太陽系の外環に触れても無事通過したみたいや。」
「そんな小さい子が……。私と同じですね。うまれたて。」
「そうやな。フリーネットは太陽系の重力に関わらん存在や。だから、フラフラ漂っててな。木星はんに引き寄せられたらしいで。」
「無事だったんですよね。」
「そこで、ワテが颯爽と救出や。」
「ハレーおじさん、格好いい~。」
「そうやろ、そうやろ。それでカイパーベルトの外エッジワースに連れて行ったんや。」
「あそこだと太陽系の影響は少ないですもんね。」
「あんさん、やっぱりよう勉強してるな。関心や。」
「本当はね。みんなおじいちゃんと初代ブラックホールさんの知識なの。」
「それでいいんや。知ってることが重要や。」
「うん。おじいちゃんも今は大きくなることだけを考えろって。」
「そうや、そうや。」
「でもフリーネットちゃん一人で心細いよね。私にはすぐ仲間ができたし、おじいちゃんもできたけど。」
「そうやな。でも自由浮遊惑星はそんなもんや。どの恒星にも干渉されずに勝手にフラフラできるんや。フリーネットは自分のことを学んでいる最中や。理解したらいろいろ考えるやろ。それまでの仮の住まいや。」
「会ってみたいな。」
「姫星とは話が合いそうやな。」
「この辺で大きくなれないの。」
「無理やな。フリーネットは大きくなるだろうが、この辺りの星に影響が出るぞ。」
「そうか。」
「フリーネットは恒星にもなれた存在や。それに大きくなると質量も大きくなるよって、そこらへんの星は負けるで。」
「そうか、残念だわ。」
「姫星が吸収するか衛星にするかしたら大丈夫やろな。」
「でも、それはフリーネットの自由がなくなるよね。」
「そうや。あそこで大きくなったら外へも出て行けるしな。ここに来たら将来が大きく変わるなあ。」
「ハレーおじさん、親みたい。」
「そうか。実はワテはフリーネットの名付け親なんや。だからついついな。」
「名付け親のハレーおじさんがついてるんだもの。フリーネットは大丈夫だね。」
「心配でな、ついついあっちの方に引き寄せられるんや。」
「またフリーネットのこと聞かせてね。楽しみにしてるから。」
「ああ、任せとき。」




