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彗星のお仕事  作者: 田舎娘


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35/47

35  天の川はん、どないした。

七夕にちなみ、天の川編を書いてみました。番外編です。


ハレーさんが恒星間彗星として銀河を飛び回っていたら。

天の川はんと顔見知りだったら。


二人の会話は──どないなことになりおるのか?

「天の川はん、天の川はん。」


「ハレー彗星さん。ごめんなさい。気づかなくって。」


「耳栓なんぞして、どないしたん。」


「これがないと、とんでも無いことになるのよ。」


「そういや、皆はんしてまんな。」


「そうなのよ~。今日だけは絶対必要なの。」


「今日だけでっか。」


「そうよ。今日は7月7日よ。」


「たしか~、七夕でんな。」


「ほら、あそこが二人の再会の船着き場よ。

 今日だけは、二人の貸し切りよ。」


「近くで子供らがあそんでますな。」


「すぐ戻ってくるわ。織姫が来たらね。そろそろ来るわよ。」


「船が近づいてまんな。」


「織姫、登場ね。彦星は・・・。」


「おまへんな。」


「今年は、早々に始まるわね。」


「何が?」


「見てればわかるわ。ハレーさんにも渡しとくわね。」


「おおきに。でも、耳栓なんていつつかうんや。」


「子供たちが、避難してきてたらよ。」


     *  *  *  *  *


「ハレーさん、ここからは筆談よ。」


「了解。」


「毎年よ。」


「かないませんなあ。」


「そうなのよ。あんなに仲が悪いんだったら、別れればいいのにね。

 こっちは、いい迷惑よ。」


「止めないんか。」


「最初の頃は。仲裁してたのよ。それで仲直りもしてたのよ。

 でも、ある年、織姫が仲裁の女性に嫉妬してね。

 取っ組み合いの喧嘩になったの。」


「それは・・・。」


「嫉妬されるようなことはしてないのに、

 大声で罵声やらで、あげく手をだしたのよ。

 織姫が。」


「それ以来、関与しないことになったんだけど。

 年々、ヒステリックになってね。

 子供等に聞かせたくないことも大声で叫ぶようになってね。」


「それは・・・。」


「だから、耳栓。」


「役立ってまんな。」


「今年は、さらにひどいわ。」


「どうしてやろか?」


「ほら、織姫が着いた時、彦星がいなかったでしょ。だからよ。

 去年は、彼女がお弁当をわんさか作ってきたんだけど、食べきれなくてね。

 そこから、まずいと思ってる。他の女に作ってもらってる。

 とか爆発してね。彼も、うまく彼女に合わせられないみたいでね。

 悪いことに、売り言葉に買い言葉よ。」


「それは・・・。」


「でもね。不思議なことに、

 お別れの時は、二人して手をつないで惜しんでるのよ。」


「それは・・・。」


「それでも、言い合いをしているのよ。手を繋いだままよ。」


「それは・・・。」


「一年に一日だから我慢できるけど。

 中には、私の天の川から流れていっちゃう人もいるのよ。

 みんないなくなったら、川じゃあなくなるでしょ。

 銀河が維持できなくなったらどうしてくれるのよ~。」


「それは・・・。ちょっと大げさや。」


「それに、別名ミルキーウェイなんてカワイイおいしそうな名前があるのに、

 名前倒れになっちゃうじゃあないの。

 誰が、中身のないお菓子の空箱なんてほしがるのよーーーー!」


「それは・・・。」


「そうだ。みんなに言ってあの二人の離婚嘆願書をつのりましょ。

 早速、準備しないと。」


「それは・・・。」


「ハレーさん。今日はお話しできてさっぱりしたわ。

 また、話に来てね。さよなら。」


「あ~。……。 さいなら。」

 


 








次は、彦星と織姫です。こちらも、番外編です。

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