34 リュウグウはん、届けたで~。
第一話のリュウグウ星の落し物を地球に届いた報告です。
「リュウグウはん、届けたで~。」
「ハレー彗星さん、ありがとう。」
「地球はんが、迷惑かけたって、恐縮してたで。」
「地球さんの所為じゃあないのに。却って悪かったかしら。」
「あんさんは、まだまだ成長するんやろ。」
「ええ、そのつもりよ。」
「そやったら、この時期によその加工物は取り込みたくないやろ。」
「ハレー彗星さん、その通りなの。」
「そうやと思うたわ。」
「わかってくれるの。嬉しいわ。」
「地球はんも、分かってるよってな。心配いらんわ。」
「やっぱり、ハレー彗星さんにお願いして良かったわ。」
「地球はんもな、まだまだ地球の内部には知られざる宝が眠っているのに、地球以外の星に興味を持つなんて、どうしたもんでしょうね。なんて言うてるわ。」
「それを狙って、変なのが寄ってきてるんでしょう。地球さんも苦労するわね。」
「あんさんとこにも、来てるんか。」
「私のとこには、こないわよ。なんせ、私は、まだまだ未成熟の星だからね。」
「そりゃあ、安心や。」
「安心して。私んとこは、中心も安定してないし、星の中身は、砂と砂利よ。あいつらには、魅力がないわよ。」
「そやけど、地球の人間は興味があるようや。」
「そうなのよ。物好きよね。」
「あんさんには、水があるらしいで。なんでも、人間は水が貴重らしいで。」
「あるのかしら?」
「リュウグウはんは、自分でもわからんのか。」
「そうなのよ。お恥ずかしい話なんだけど、星として形成中でしょ。昨日の私は今日の私ではないのよ。」
「日々変わるんかいな。」
「そう。今日、取り込んだ物質が気に入らなかったら、すぐ捨てるわよ。」
「取り込む物質を、えり好みしてはる?」
「そうよ。私の嫌いなものは、いらないわ。」
「地球はんのとこの、人間が採取したのって。」
「あの時の一瞬の物質ね。採取した物質が、今もあるかは私も、分からないわ。」
「それは…。」
「だって、せっかくの私の星なのよ。好きなものに囲まれてすごしたいでしょ。」
「それは、そうでんな。」
「だから、ゆっくり、じっくり、よ。」
「リュウグウはんは…。」
「私が、何?」
「いいや、何でもないわ。」
「そうでしょ。誰にも、文句なんて言わせないわ。」
「誰も、文句なんて言わんわ。」
「また、何か落ちてたら、よろしくね。」
「ワテら彗星は、便利屋とは違いまっせ。」
「でも、頼めるのは、彗星さんしかいないのよ。持ち主がわかってる物は、持ち主に帰さないとね。」
「それは、そうやけど。」
「理解してくれて、良かったわ。」
「なんか、釈然とせんわ。」
「深く考えないの。はげるーーーじゃあなくて、尾っぽの輝きが無くなるわよ。」
「それは、困るわ。」
「ウフフ。ハレー彗星さん、大好きよ。」
「ハア?あんがとさん?」
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