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彗星のお仕事  作者: 田舎娘


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30/34

30 「・・・・・。(ワテは、このまま帰りますわ。)」

「なあ、初代ブラックホールよ。」


「なんですか。太陽神。」


「恒星になって、50億年だ。」


「知ってます。」


「やっと、太陽系が落ち着いたと思ったんだが。」


「落ち着きましたね。」


「けど、50億年後を考えるとなあ。」


「そうですね。太陽の影響は大きいですからね。」


「私は、燃えない方が、よかったのか?」


「太陽の炎は、私にも責任がありますからね。しかし、燃えなかったら、太陽系の姿は、まったく違う世界になっていましたよ。」


「そうだよな。だからこそ、私が燃え尽きたら……。」


「水星と金星は消滅ですね。地球は、今の姿は保てないでしょうね。」


「文句を言いそうだよな。」


「地球がですか?地球は惑星ですから、理解はしているでしょう。もちろん、惑星たちは、皆、分かっていますよ。」


「違う。エリスだ。」


「小惑星のエリスですか。言いそうですね。」


「ああ。私の光が無ければ、冥王星に嫌がらせできないってな。それに、彗星たちだな。」


「尾っぽが、輝かなくなりますね。」


「彼奴らは、それを誇りにしてるからな。」


「本当に、おもしろい世界になりましたね。」


「私の苦労が偲ばれるだろう。」


「私には、それ以上の苦労がありましたよ。」


「お前には、感謝している。が、サッサと隠居して、私の影に隠れているのはどうなんだ。」


「私は、次世代を太陽系に誕生させてあります。少しは、ゆっくりさせてください。」


「私は、ゆっくりできない。」


「それが、恒星の仕事です。」


「私の恒星の寿命が100億年なんて、誰が決めたんだ。」


「天の川銀河あたりでしょうね。」


「考えなしに物事を決定するからな。」


「相棒のブラックホールが苦労してますね。」


「それになあ、白色矮星になってからが、はるかに長いんだよな。」


「白色矮星になってもそばにいますよ。その為の同化ですから。」


「そこまで、考えていたのか。感激だね~。」


「半分ね。半分は、楽がしたかったの。」


「その気持ちは、わかる。」


「悪いわね。楽させてもらって。」


「だがな、私は白色矮星になっても、変わって行く太陽系を見守れるだろうか。」


「見守れるでしょう。多少の嫉妬は存在するでしょうが。じたばたしても、始まらないですよ。」


「そうだが……。」


「あとは、姫星と自分の分身を信じなさい。」


「太陽系は、生まれ変わるんだな。」


「その一員に、なるんです。」


「楽隠居しながら、眺めるか。」


「そうしましょう。」



「・・・・・(ワテ、このまま帰りますわ。)」



「ん…。ハーレーがいたのか。」


「いましたね。知ってたでしょう。」


「聞かれたか。」


「聞かれましたね。聞かせたんでしょう。」


「勘違いしたかなあ。」


「しましたね。質が悪いですよ。」


「ちょっと、シリアスな太陽神って、良くないか?」


「自分のお遊びに、他の星を巻き込むのは気の毒です。」


「私は、私を憂いてだな。」


「50億年後なんて、とっくに姫星に丸投げしてるくせに。考え込むような性格はしてないでしょう。」


「アハハハ。訂正するか。」


「いいんじゃあないんですか。少しは、そう思っているんでしょうから。」


「・・・・・(ワテ、やっぱりこのまま帰りますわ。)」



読んで頂いてありがとうございます。

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