28 ファエトン、ふたご座流星群にあったで
「ファエトン、ふたご座流星群にあったで。」
「きれいだっただろ。オレの流星群。青く光ってたか?」
「ああ。ワテの流星群とは、ちょっと違うな。」
「オリオン座流星群とみずがめ座流星群か。ハレーは二つの流星群を持ってるんだから、贅沢だよ。」
「そないなこと言って、おまはんは小惑星や。」
「それがどうした。」
「流星群は、彗星の十八番や。」
「いいだろう。オレみたいなのがいたって。」
「ああ。けんど、あんさんは元彗星だったとか。」
「そんな噂があるし、名前まであるよね。ロッキー・コメット(岩石彗星)だって。」
「どうなんや。」
「わからん。」
「わからん?」
「ああ。こうなる以前の記憶がないんだ。」
「記憶がない?」
「うん。気が付いたら今の状態だったんだよ。」
「何か大きなことが、あったんやろか?」
「そうなのかなあ。」
「ケレスの長老に聞けば、判るかもや。」
「そうだろうけど、いいや。」
「そうか。」
「うん。過去を持つニヒルな小惑星ファエトン。かっこよくないか?」
「ない。」
「冷たいなあ。流星群を産む同志じゃあないか。」
「そうやな。けんど、ワテら彗星は、太陽神様に尾っぽを輝やかせてもらって、その尾っぽで流星群を産むんや。」
「オレは太陽神様に星の表面を焼いてもらって、青い色になる。青くなる時の欠片やチリが流星群になる。」
「同じやないな。」
「えー。同じだろ。」
「どこがや。」
「太陽神様がなんかしてるとこ。」
「小惑星ファエトン殿。」
「冗談だって。でも、太陽神様の近くで我々が変化してるのは事実だよ。」
「それは…。」
「オレが、元彗星だっだとして、オレ以外の存在が居ないのは、どうしてだ。」
「そうやな。」
「もし、オレが彗星だったら、彗星の希望になるかもな。」
「どういうことや。」
「ハレーは、彗星として誇りを持ってるだろ。」
「もちろんや。」
「で、星として消滅するか。俺みたいなロッキー・コメット(岩石彗星)になるか。どっちかを選択出来たら、どうする?」
「・・・。」
「迷うだろ。」
「迷うか…も。」
「オレの立場は、ハッキリさせない方がいいんだ。」
「おまはん、もしかして・・・。」
「もしかして?」
「何でもないわ。」
「うん。オレは、陰のある青い小惑星のファエトンで、ロッキー・コメット(岩石彗星)さ。
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