26 冥王星はん、少しは落ち着いたか
ここからは、太陽神の太陽系の世界です。姫星の世界は、まだまだ先です。
「冥王星はん、少しは落ち着いたか。」
「ハーレーさん、少しはね。だいたいさあ、騒いだって、今更だしね。」
「ようやく分かったか。」
「最初から分かってたよ。だけどさ、騒ぐとみんながなぐさめてくれるんだ。」
「お前はん、かまって欲しくて騒いでたんか。」
「えへへへ。」
「手のかかるやっちゃな。カリンはんの苦労が偲ばれるわ。」
「そのカリンがね。言うんだ。」
「なんて言われて、慰められたんや。」
「オレって彗星さん達と、星の構成物がほぼ同じなんだってね。」
「そうやな。なんや彗星になりたいんか。」
「違うよ。茶化さないで、オレの話を聞いて。」
「へいへい。」
「彗星と同じでもオレは流れない。」
「そうやな。」
「それがオレの誇りになったんだ。」
「どういうこっちゃ?」
「この辺は、彗星見習いが多いよね。」
「ああ。養成所もあるくらいや。」
「でもオレは入れない。」
「入れへんな。」
「彗星さんたちは、尾っぽをたなびかせて飛び回るのが誇り。」
「そうやな。」
「そんな彗星さんたちの中にあって、オレはここが定位置だよ。それで、ここの定位置の星の中でも、オレが一番大きい王様みたいな存在なんだって。」
「はあ、そうきたか。」
「だから子供みたいに、過ぎた事を嘆くより先を見なさい、ってさ。先は長いんだからって。言われちゃった。」
「確かに先は長いな。」
「うん。いつまで嘆かないといけないんだろうとは思ってたんだ。」
「引っ込みがつかなくなったんやな。」
「一言で言うとそうで~す。」
「まるで子どもやな。何年、生きてるんや。」
「年齢なんてわかんないくらい長いよね。でも、この間のハレーさんの説明でよく分かったんだ。オレは勉強不足だ。」
「そりゃよかった。で、勉強する気になったか?」
「これからは、ここのキングらしく、ドンとみんなを見守るよ。」
「ああ~。そっちかよ。」
「ハーレーさん。そのため息は何どうして。ため息なんて、なんでこぼすの?」
「おまはんの、そういうところや。」
「なんでだよ。」
「じゃあな。」
「教えろよ~。」
* * * * *
「相変わらずでしょう。」
「カリンはんか。ほんまにおとなしゅうなったが、あれでいいんか。」
「冥王星はあれでいいの。」
「カリンはんが、大変だ。」
「そんなことないわよ。逆に面白くって、ついつい遊んじゃうの。」
「あんさん、結構、根性悪かったんでんな。」
「そお。知らなかった。あれに付き合うのは、これぐらいな方がいいの。」
「そうかも。」
「私もいろいろ学んだの。あれが、あの子のいいところなのよ。」
「私は疲れますわ。」
「あの子は、根が単純なのよ。だから、惑星だと言われて信じ込んで、それを自慢にしてたの。」
「うん分かりますわ。」
「でも、それが覆って、自分のプライドや価値観が崩されちゃったの。」
「そうでんな。」
「ハレーさんは、今からあなたは彗星ではありません。尾っぽもなくなります。って言われたらどうする」。
「怒りますな。絶望しますわ。」
「そうでしょ。あの子はやっとそれから立ち直りかけたの。」
「カリンはんの例えは、すっごく理解しましたわ。ワテだったら、何しますかねえ。」
「きっとハレーさんは、動けるうちに気に入ったところへ行くんでしょうね。」
「分からへんで。動けるうちに、欠片やチリやら燃えカスやらをいっぱい落としまくって、ほかの星々はんにヤツ当りするかもや。」
「動けるのっていいわよねえ。ちょっとうらやましいわ。私たちは動けないから、周りにの誰かに八つ当たりするだけ。」
「そうか。星にもいろいろ悩みが違うんやな。」
「当たり前よね。生まれた経緯も違うし、育った環境も違う。そんな中で精一杯生きてるの。そんな環境に、正直にまっすぐ向き合っているのが、冥王星なんだと思うの。」
「確かになぁ。あいつも結構苦労してるんやな。カリンはんに、おんぶされてますけどな。」
「ふふふ。いつか一緒に手をつないで歩きたいはね。」
「大丈夫でっしゃろ。お二人なら。」
「ありがとう。」
「そうや、カリンはんに謝んないと」
「何を」
「前に、カリンはんに先に声かける言いましたや。」
「そんなこと、気にしないで。それより、また来てくださいね。冥王星は、ハレーさんのこと待ってるのよ。」
「嬉しいやら、困るやら。」
「彼は、唯一、ハレーさんだけに本音を言えるみたいよ。」
「それ聞いたら、嬉しいでんな。」
「だから、待っているわ。」
「へい、またきまっせ。」
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