25 太陽神と姫星『終焉と始まり』
天の川銀河に独自の世界を作った太陽が恒星としての命を閉じた。
これに旬じたのは水星のみ。
「俺は惑星の中で太陽神様の近くに常にいたんだよ。そのせいで迷惑をかけられたけどさ。ず~と太陽神様と共にいたんだ。最後だって太陽神様の近くに居るんだ。でも太陽神様は白色矮星として生まれ変わるんだ。俺はその一部になるのさ。」
金星も殉じようとしたが
「姐さん、あとを頼む。」
太陽神のその一言で、後の世界を見届けることを決心した。
地球は微妙な立場だった。太陽神に吸収され淘汰されるのか。あるいは姿を変えて星と残るのか。なら、衛星である月のためにも生き抜くことを選んだ。
「私ひとりの問題ではないのよね。共に生きましょう。」
火星は、一度は死の星と呼ばれた星だ。
「どんとこいよ。」
木星・土星・天王星・海王星は影響を受けても消滅するわけではない。一応に
「総てを受け止める覚悟はある。」
一同、冷静に受け止めていた。そんな惑星たちの姿は、他の星々の模範となった。こうして、少しずつ少しずつ太陽神が白色矮星になることを受け止めていった。
太陽神も初代ブラックホールと協力して恒星の寿命の時、星々への影響が少なくなるよう考えた。
「火星に教えられた。」
太陽神は恒星の寿命を迎えた時のため、力を残し爆発を抑え込もうとした。もちろん爆発は起こったが、太陽系は混乱に陥ることは免れた。水星のような星も少なくはなかったが、乗り切った。
水星は太陽神と共にある。
金星は核のみを火星に飛ばした。星の体は太陽神に返した。
地球は火星と合体した。月を伴って。月は火星の衛星となった。
火星はこうして三姉妹が揃うことになった。三つの核がそろったからなのか、爆発の影響が予想よりはるかに少なかった。
「いずれ火星に吸収されてもいいのよ。それが私たちの意思よ。金星と地球は笑って言い合った。
天王星は、爆発の影響で、磁場と中心のずれが調整された。しかし、完全に元には戻らなかった。
「僕ちゃんの個性だからね。寝返りがお辞儀になっただけだよ。太陽神様の世界では寝返り、姫星の世界ではお辞儀だね。」
木星、土星、天王星、海王星は太陽神の欠片をできるだけ取り込もうとした。それが自分たちの星の姿を変えることになってもだ。
「我々は太陽神の惑星だ。これまでも、これからも。」
そして太陽神は最後の時、太陽系の全ての星に思いを飛ばした。
「あとは姫星に託した。我が太陽系の星々よ。姫星を頼む」
太陽系は太陽が白色矮星になった時、新たなる世界へと変わっていった。
太陽神はあらたな星に育つだろう姫星を恒星として育てた。
あの天の川銀河も了承のもと、姫星は太陽神のあとを引き継ぎ、オリオン・スパーのあの端っこの世界を任せられた。
太陽系は、太陽が白色矮星になっても、太陽の白色矮星を中心に星々がその周りを回っている。
姫星は、それを変えることはなかった。
「天の川銀河だって、中心はブラックホールよ。これからの世界の中心も太陽神様の白色矮星よ。私は太陽神様の一番近くで太陽神様の白色矮星を回る恒星になるの。」
姫星は、爆発の際に、太陽の引力を利用して、ぎりぎりの距離まで近づいていた。それは、姫星が恒星であり、太陽の分身だからこそできたことだった。
姫星は、新たな世界の星々に見守られ、白色矮星になった太陽にも見守られスタートを切った。
「太陽神様、私頑張る。」
天の川銀河の太陽系の世界は姫星によって紡がれていく。
それが太陽系全ての星の総意だ。
読んで頂いてありがとうございます。
この章で本編は完了にさせていただきます。
けれど、ハレーさんと星々との会話は続きます。
前後しますが、太陽神の太陽系の話です。
これからも、よろしくお願いいたします。




