23 太陽神様、戻りました。
「太陽神様、戻りました。」
「ハレー。ご苦労。して皆はどうだ。」
「皆さん長年の謎が解明されて喜んでます。特に三姉妹は浮かれてまっせ。」
「そうだよな。元々一つの星だったんだからな。」
「自転のことも、ラッセル地形のことも、ぜ~んぶ私の歴史。これからは、妹が二人もできたから、にぎやかな未来になるわ~。と、言うてます。
「地球と火星は?」
「火星の嬢ちゃんは、頼りになる姐さんができて心強いわ~。地球はんは、今だ感激していて涙ぐんでましたわ。」
「三姉妹だけど性格は三人三様だな。」
「ほんまや。」
「天王星は、納得したか。」
「僕ちゃん星は、悟りを開いてまんな。」
「開き直ったか。」
「僕ちゃんは、『核ができる前から、自我があったんだ。すごいよねー。』
開き直りより、自画自賛や。」
「そういうところは、彼奴の長所だな。」
「でも、聞いてて疲れましたわ。」
「他は想像できるな。」
「水星はんが、何気に一番冷静だったわ。」
「奴は、私の一番近くにいるから常に私の意識が感じられるんだろうな。」
「そうなんやな。太陽神様はその時のことは?」
「それがさあ。あの時はこっちに飛ばされて早く成長しないとと思っていてね。そういえばそんなことがあったよな、ぐらいなんだよ。だから惑星たちが真剣に惑星の成り立ちとか考えてるとは思い至らなかった。」
「それは、仕方ないわ。」
「みんなそう言ってくれるんだ。それで改めて聞いてみたんだ。」
「誰にでっか?」
「天の川銀河だよ。私をオリオン・スパーの端っこに飛ばしたのは何か深い意味があったのかなと。」
「で、」
「深い意味なんてないわよ。ただオリオン・スパーのあの端っこがぽっかり穴があいているみたいだからさ。相棒に提案しただけよ。だいたいそのことも、こないだまで忘れてたぐらいなんだから。あんたは好きにしていいのよ、だとさ。」
「それは……。」
「まあ相棒のブラックホールに窘められていたけどな。私の存在なんてそんなもんだよ。」
「でも、太陽神様だからこそ太陽系がこないな空間になったんや。」
「うん。それは私も自負している。だからこそ思うんだ。」
「何をでっか。」
「私が恒星でなくなったらだ。つまり私は恒星としてはあと50億年だ。まだまだ先だと思っていたが、この宇宙で50億年はそれほど長くないと思うんだ。」
「宇宙は無限に近い有限やからな。」
「私は恒星としての命がなくなれば、まあ燃え尽きるともいうが、白色矮星 になることになる。太陽系の一つの星となるんだ。」
「そうなると、ワテの尾っぽは輝いてくれなくなりますな。」
「うん悪いね。でも、他に影響はいっぱいあるだろう。例えば水星だ。あれは私に近すぎる。きっと逃げることもできず必ず私に取り込まれる。きっと金星もそうだ。地球は微妙だな。しかし星の形態は必ず変わるだろう。火星から先は軌道が太陽からさらに遠くになるるだろうが、何とか踏みとどまるはずだ。火星は小さいからなどうなるか。」
「このことは惑星の皆はんには?」
「言ってないよ。やっと過去がはっきりしたんだ。今はそれをかみしめてほしいかな。でも、みんな心の隅にあると思うんだ。私が太陽ではなくなったらとね。」
「そうでなあ。でもいずれは…。」
「そうなるね。ケレスなんて昔に戻るだけですよ、って言うんだよ。」
「そのとおりやな。」
「白色矮星なっても、多少の影響力はあるから、秩序が亡くなることはないけどね。」
「ワテらは、どないなるんや。」
「私に影響されても、存在してれば、軌道が変わるけど、私の周りを回ってることに変わりはないよ。」
「安心しましたわ。」




