21 ケレス長老、質問や。(ケレスの激白)
「ケレス長老、質問や。」
「今度は質問か。忙しいな。」
「そない言うな。まず、ワテからや。」
「お前もか。」
「初代彗星や。彗星は、どないして生まれたんや。」
「そんなことか。ある時ある星がフラフラと太陽に近づいてな。その時、ボワ~と太陽が燃えだしたんだ。周囲にいた星は、吸収されたり飛ばされたりしたんだ。だが、不思議なことにな、いくつかの星が尾っぽを輝かせ太陽の周期軌道に飛び出して行ったんだ。そのいくつかの星が、オールトの雲やカイパーベルトの星だったんだ。」
「そない古いんか。」
「そうだ。あの瞬間が太陽系の誕生だろうな。そして、太陽が太陽神になった日だな。その日から太陽系は、秩序らしい秩序が生まれたんだ。彗星もその時生まれた。」
「ようわかったわ。次は、惑星は、どないして生まれたんや。」
「その質問は、海王星あたりだろう。あいつは、理屈っぽいからのう。」
「アハハ。正解や。」
「話せば、長くなるぞ。」
「なごうて結構。」
「惑星は、太陽が爆発や吸収を繰り返していたら、いつの間にか星ができていてな。それが水星・金星・木星・土星・天王星・海王星の元となる星だ。」
「地球はんや火星の嬢ちゃんは?」
「そう慌てるな。この星たちは、太陽の爆発で散った欠片だったり、気体だったりを取り込んで星になったんだ。水星は、太陽に近いため重い岩を、金星はそれ以外の岩を取り込んだ。だから、岩石惑星と呼ばれている。木星以降は、太陽から遠いせいか気体を取り込んだ。気体惑星だな。その岩や気体は太陽から発生したものだ。」
「つまり、惑星の元の星は、太陽神様の物質を取り込んで大きくなった。」
「そうだ。お前、なかなか頭が回るではないか。」
「ほめられた。」
「それでな。この時の太陽は、まだ自分の力を持て余していてな。爆発を繰り返していたわけだ。その度、星は大きくなった。ある時、そのイライラが大爆発を引き起こした。」
「そん時は、まだ燃えてないんやな。」
「そうだ。その爆発で影響を大きく受けたのが金星だ。水星は、小さかったし重い物質だったために耐えられた。金星は大きくなりすぎていたんだ。何しろ、今の二倍はあったからな。」
「もしかして、割れたんか?」
「ああ。爆発によって金星は、真っ二つに割れた。その結果、金星は自転が逆回転になった。飛ばされた片割れは、地球になった。」
「金星はんも地球はんも記憶にないらしいで。」
「当たり前だ。その頃はまだ惑星ではないからな。」
「どういう意味だ。」
「まあ、静かに聞け。質問は後だ。」
「はい。」
「金星と地球は双子星と言われるほど内部が似ている。違うのは表面温度くらいだ。」
「元々一つやったら、当たり前やな。」
「ああ。金星のラッセル地形と地球のイエローストーンが割れた跡だ。」
「金星はんがラッセル地形を気にしてたんや。」
「記憶がなくとも思うことがあったんだろうな。金星と地球はいいな。火星は後だ。」
「はい。」
「木星は、この爆発で大きく成長した。そして、重い気体を取り込んだ。そのせいでかなり重い星になった。」
「なるほど。」
「土星は軽い気体を集めた星だ。天王星と海王星は、太陽から遠すぎて氷となった物が集まってきた。天王星は大きな氷を、海王星は小さな氷を吸収したんだ。そのせいで、天王星は海王星より太陽に近いのに冷たい星になった。」
「大きな氷を吸収したからでっか。」
「そうだ。」
「金星が水星より熱いのは?」
「水星は太陽に近すぎるんだ。だから、耐えられる熱さに調整ができるんだ。」
「金星はできないんでっか。」
「そうだ。だがそれは太陽が燃えてからのことだ。この爆発ではない。」
「天王星はんの寝返りは?」
「あれは、爆発のあおりでひっくり返ったんだ。寝返りか。上手いこと言うな。」
「ワテの想像と一緒や。」
「だがな、あの時は核が無かった。星自体が元に戻そうとしたようだ。それで高速で回り始めた。その為に磁場がずれてしまったんだな。中心と磁場が違うために元に戻れなくなった。高速で回らなければ、元に戻っていた可能性が高いんだ。」
「アハハハ。核が無くても性格は既にできていたってことや。」
「言えてるな。」
「笑えるわ。」
「だがな。この時は、あくまでも太陽の物質を集めて星になった星でしかないんだ。」
「太陽神様は燃えていない。」
「そうだ。彗星も生まれていないぞ。だが、その爆発で落ち着いたのか、しばらくは平穏だったんだがな。太陽が燃えだした。」
「燃えた原因は?」
「太陽が取り込んだガス雲が突然発火したんだ。」
「ガス雲はどっから。」
「多分、ブラックホールが持ち込んだんだろうな。」
「ブラックホールはどないして。」
「その頃のブラックホールは、初代の他に二つの分身を太陽系に配置していた。二つのブラックホールからも太陽の中心に物質をおくりこんでいたんだ。太陽の成長を助けるためにな。太陽は、力はあるが体ができていなかった為に、力の制御が上手く行かなかったんだ。ブラックホールのおかげで成長はしたんだが、燃えだしてしまった。」
「その二つのブラックホールが今のブラックホールの祖でんな。姫さんのお母はんがブラックホールは系統があるって言ってましたわ。で、燃えた後はどないに。」
「燃えた瞬間、物凄い力が太陽から発せられた。その力は太陽系の全ての星に影響を与えた。オールトの雲やカイパーベルトの星たちもだ。」
「どないな影響を?」
「太陽の発した力は、【太陽の意思】と言われている。太陽神が生まれた瞬間だよ。」
「太陽の意思?太陽神様が生まれた?」
「太陽の意思は、全ての星に自我の目覚めを促した。」
「そないなことが……。」
「だがな。我々小惑星は元々ここにいた星だ。その為に、太陽の意思を総て受け止められなかった。」
「もしかして……。」
「そうだ。水星・金星・地球・木星・土星・天王星・海王星は、太陽からの物質が集まり星になった星だ。総ての意思を受け止められた。その意思が惑星の核だ。」
「惑星の誕生や。」
「それ以降、惑星は意思を持ち己で考えるようになる。だが、それに伴い義務も生じた。」
「迷子星の保護とかでっか?」
「その通り。我々も自我は目覚めた。だが、惑星ほどではない。」
「金星はんにラッセル地形の記憶がないの核がなかったからか。でも、火星の嬢ちゃんは?」
「火星は、核ができてからのことだ。」
「今度は、何が?」
「あれも太陽のイライラだ。やっと力が制御できるようになったのに、今度は己が燃えだし燃え続けている。」
「イライラが積もったんか。」
「ああ。とうとう爆発した。太陽も加減はしたらしいんだが……。」
「何があったんや。」
「地球だ。そのあおりでまたまた二つに割れた。」
「それが火星やな。」
「火星は、地球にあった大きなこぶみたいなもんだったんだが、そこが根こそぎ離れていった。離れていったが、さすが太陽の体を受け継ぐものだ。離れたた瞬間核ができたんだ。」
「だから、地球はんと火星の嬢ちゃんは姉妹だと知っていたんか。」
「確か、火星のあったとこは、地球には大きな海があるだろう。あそこだ。大きくえぐられた地形が海になったんだ。あれは、地球の涙なのかもな。」
「海水は、しょっぱいらしいで。」
「本当に涙だな。」
「金星・地球・火星は本物の三姉妹か。そういや、木星・土星・天王星・海王星は四兄弟らしいで。」
「水星は?」
「水星はんは従兄弟や。水星はんは、自分の液体・気体を全て四兄弟にとられた~、って叫んでたんで、海王星はんが従兄弟にしたんや。」
「惑星は、全て太陽の子みたいなもんだ。五兄弟、三姉妹だな。」
「いろいろ納得したわ。」
「他に質問はあるか?」
「主星と衛星は会話できへんよな。」
「出来んな。」
「けんど、何となく解るらしいで。木星はんは会話してはる。」
「儂の推測だがな。惑星は太陽の力と意思を受け継いでいる。太陽は惑星と会話できるんだよ。」
「初めて聞いたわ。」
「だが、太陽が会話しようとすると、他に大きな影響が出るんだ。その為に禁止している。」
「誰がや。」
「初代ブラックホールと儂だ。影響が無い時が惑星直列時だ。話を戻すぞ。惑星は太陽の子だ。衛星と話ができても不思議はないだろ。」
「確かに。」
「他は?」
「今んとこ、おまへん。」
「まさか、惑星たちがこんなこと考えてたとは……。」
「いろいろ考えてまっせ。そうだ!長老は太陽系の生き字引や。その知識を公開したらどうや。」
「イヤだね。質問があれば聞きにくればいい。」
「でも、ワテも長く飛び回ってても、初めて聞く話ばっかりや。」
「そうだろうな。儂も太陽も初代ブラックホールも率先して話さんからな。」
「だからや。太陽系がどうやって生まれたとか、後世に残しましょうや。」
「それだったら、お前がやれ。」
「エー。ワテがでっか。」
「考えとけ。]
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