20 ケレス長老、伝言や。(ケレスの激白)
「ケレス長老、伝言や」
「ハレー彗星か。何か用か。」
「質問がぎょうさんあるで。その前に伝言や。」
「儂にか。誰や?」
「名前は知らん爺さん星や。無いんやろな。ただ『やっと、見つけた』と。」
「………。……。」
「長老?」
「すまんが、もっと詳しく教えてくれ。」
「ブラックホールの子がな、宇宙の墓場に星として行ってな。姫星の名を貰ってな。そこに爺さんがおってな。爺さんが、姫はんと合体してな。姫はんが星の中心でな。爺さんが姫はんを覆ってな。爺さんが、姫はんの教育係をしてはるわ。」
「他には、変わったことは無いか。」
「あの辺にいた不安定な星たちが、結構しっかりしてきてな。姫はんの衛星もどきになってるわ。」
「そうか。」
「長老?」
「ハレー。悪いが、姫星のことは、気にかけておいてくれ。」
「理由は?」
「もう、隠すことも無いだろう。姫さんは、ブラックホールの子だな。」
「そうや。」
「なら、初代ブラックホールの子孫だな。」
「そうやな。」
「爺さん星は、太陽神と初代ブラックホールがここに送られた来た時に、一緒に来た星だ。」
「は~。」
「巻き込まれたらしい。このことは、儂しか知らぬことだ。」
「どういうことや。」
「恒星である太陽と初代ブラックホールは天の川銀河の意思でここに送り込まれた。そこに運悪く巻き込まれたのが爺さん星だ。やつは、事実だけを受け止め太陽系を散歩すると言ってな。太陽と初代ブラックホールに知らせずに去っていったわ。ただ、『きっと、自分しかできないことがあるだろう。それを、見つける』と言ってな。」
「それが、姫はんならいいやんか。昔もブラックホールが星になったことがあったやろ。」
「アホ。よく考えてみ。あの時は、星の構成物は全部太陽系産だ。爺さん星は、太陽系の星ではないぞ。太陽神と初代ブラックホールがいた場所にいた星だ。姫さんは、初代ブラックホールの子孫だぞ。爺さんは、外のことも知ってる外の星だ。どんな変化が起こるか予測できるか。」
「できまへん。」
「そうだ。まして、衛星もどきもできているんだろう。早すぎる。」
「何が、起こるんや。」
「わからん。お前は、初代ブラックホールが、今どこにいるか知ってるか。」
「自ら、太陽神様に吸収されたと。」
「吸収はされておらん。おらんが、太陽神の中にいる。」
「それって、」
「ああ、姫星と同じだな。」
「まさか、爺さんは、恒星か?」
「多分、違うだろう。だが、姫星との関係でどうなるかわからん。だから、気にかけろ、と言っている。」
「姫はんは、どうなるんや。」
「わからん。ただな。これは太陽神に報告案件だ。天の川銀河にも、報告されるな。」
「そない大事に。」
「爺さん。やっと、見つけたのにな。静かな時間は過ぎたようだな。」
「姫はんに知らせた方が……。」
「イヤ、ほっとけ。このまま太陽系の星になるかもしれんしな。」
「ワテらは、どないすればいいんや。」
「黙って、見守るだけだな。」
「見守るだけ。」
「そうだ。それが一番だ。わかったな。」
「わかったわ。」
「それにしても…………。まさかな……。」
「長老?」
「・・・・・・。」
「長老?」
「とにかく、頼むぞ。」
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