19 海王星はん、今いいか?
「海王星はん、今いいか?」
「ああ。」
「さっき、天王星はんとこに寄せてもろたわ。」
「そうか。」
「元気でしたわ。」
「良かった。」
「相変わらず、寡黙でんな。」
「スマンナ。」
「イエイエ、悪いことあらしまへん。天王星はんがうるさかったよってな。かえって落ち着いていて心地良いですわ。」
「そうか。」
「そんで、天王星はんの僕ちゃん星が、あんさんのことと土星はんのことを、兄さん呼ばわりしててな。どないしてや。」
「あいつは末っ子タイプだ。だか…ら…。まて、僕ちゃん星?アハハハ。はははは。」
「あんさん、結構笑い上戸だったんやな。」
「すまん。ツボにはまった。」
「海王星はんの初めての顔や。なかなか、見られんよってな。大歓迎ですわ。」
「そうか。」
「ついでに、金星はんは『姐さん』になったわ。」
「姐さん!!プッ。……。スマン。我慢できない。ハハハハハ。」
「気に入ってもろたようやな。」
「どっちもピッタリだ。久しぶりに大笑いした。」
「ワテも、あんさんがこないに笑ったん初めて見ましたわ。」
「オッホン、僕ちゃん星の兄さん呼ばわりだったな。」
「フッ。そうや。」
「木星兄さんが長男、土星兄さんが次男。」
「海王星はんが三男でっか。」
「そうだ。僕ちゃん星より遅くできたんだけどな。」
「水星はんがかわいそうやな。仲間はずれや。」
「あいつは、地質が全く違うからな。」
「水星はんは、太陽神様の熱で溶けて蒸発した自分の血や汗が、あんさんたちに飛び散った。言うとりますわ。」
「では、いとこあたりだな。」
「金星はん、地球はん、火星の嬢ちゃんはどうなんや。」
「火星は嬢ちゃんか。あっちも地質が違うし女星だ。三姉妹で良いだろう。」
「まあ、地質もそっくりやしな。熱さを別にすれば金星はんと地球はんは地質も大きさも同じよってな。巷では双子星ってよばれてますわ。嬢ちゃん星は、地球はんと姉妹やし。三姉妹か~。ここ最近、新発見が多いわ。」
「どんなことだ。」
「木星はんが嫁さんもろうて、性格が変わったわ。」
「木星兄さんは、元々あんなだ。ただ、頼りになる長男をしてくれていたんだ。」
「そうなんや。あとは、火星の嬢ちゃんやな。」
「それで。」
「一番小さいのに先のことを見据えてる。覚悟のいることや。」
「フォボスの衝突か。」
「そうや。その時をチャンスに変えるんやと。その為の休眠や。」
「嬢ちゃんのことを聞いて考えた。」
「何を?」
「トリトンだ。」
「あー。トリトンも海王星はんに落ちてくるんやなあ。」
「そうだ。その時のことは考えないようにしていた。」
「でも、嬢ちゃんのことでかわった?」
「ああ。トリトンは冥王星規模の衛星だ。何が起こるかわからない。」
「そうでんな。海王星はんの姿も変わるかもな。」
「だから、いろいろなシミレーションを考えることにした。」
「まだまだ先やろ。」
「その先を見据えて、嬢ちゃんは休眠したんだ。」
「海王星はんも見習おうと。」
「そうだ。」
「そないあれば憂いなし、やな。」
「ああ、トリトンも協力してくれるそうだ。」
「海王星はんもトリトンも、大人でんな。」
「トリトンに言ってくれ。やつの冷静さに救われているんだ。」
「立派な衛星や。」
「自慢だ。」
「確か、トリトンはカイパーベルトの方からやって来たんだったな。」
「ああ、無謀に近づいたから捕捉してしまった。」
「聞いた話やと、一悶着あったらしいな。」
「捕捉はできたんだが、やつの公転が逆回転になった。」
「大きい星やから、それなりに反動があったんやろな。」
「そうみたいだ。その影響で当時の衛星が皆いなくなった。」
「すごいでんな。けんど、今はおりまっせ。」
「現在の衛星はトリトンと上手くやれるやつだけだ。」
「僕ちゃん星のカリバンやシコラクスは、白い嵐でストレス解消や抗議の意思表示を表現してるらしいで。」
「僕ちゃん星は、それで均衡がとれているなら、それでいい。」
「星も、それぞれでんな。」
「そうだ。だが、なぜ惑星は八つしかないんだ。」
「小惑星とかワテら彗星は結構ありまんな。」
「我々は、何のために存在している。不思議だ。考えてもわからん。」
「哲学でんな。」
「いや。自分の存在意義だ。ハレーさんは、考えたことはないか?」
「ワテは、考えるより星の間を飛び回っている方が好きやからなあ~。」
「惑星は、何なんだろう?」
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