18 天王星はん、考えごとか
「天王星はん、考えごとか」
「ハレーさん、一緒に考えて~。」
「何を?」
「僕ちゃんが横倒しで回ってる理由だよ~。いくら磁場が中心からずれててもさ~。ちゃんと重力は僕ちゃんの中心にあるんだよ~。それって考えちゃうよね~。」
「天王星はんも、自問自答でっか。」
「僕ちゃんも?」
「この前、金星はんが、自転のこととか地形のことが記憶にないってな。」
「そうだよ。それだよ。僕ちゃんだって、記憶にないんだよ。おかしいだろう。」
「回り初めに、たまたま逆に風でも吹いたんや。きっと」
「そんな~。なんかさ~。もっと、深い意味がないのかな~。」
「深い意味か。『真実は小説よりも奇なり』って、言いますやんか。」
「そんなら考えたって無駄だよねー。誰か教えてくれないかな~。」
「金星はんも同じやな。だから、ワテがケレス長老に聞くんや。」
「ケレス長老ってラスボスだろ。太陽神様も一目置く、太陽系の長老。」
「そうや。」
「僕ちゃんのことも聞いといて~。」
「ついでにな。」
「うん。ついでで良いよ~。」
「衛星はんたちは知らんのか。」
「うん。今しか知らないって。カリバンやシコラクスなんてひどいんだよ。僕ちゃんが『怠け者だから寝っ転がってる』って言うんだよ。」
「あり得まんな。」
「ハレーさんまでひどいよ~。」
「冗談や。」
「それに、『寝返りにしては速すぎる』だって~。あいつら、衛星の癖に僕ちゃんへのリスペクトがないんだよ~。」
「そりゃ、ありませんやろ。寝返りでっか、おもしろい事実や。」
「ハレーさん、僕ちゃん寝返りしてないから。」
「わかってるわ。でも、カリバンやシコラクスと上手く行ってるようで安心したわ。」
「なんとかね。あいつら僕ちゃんへの抗議に何すると思う?」
「何するんや。」
「白い嵐だよ。あれはあいつらの自己主張と欲求不満解消法なんだ。だから、不定期。」
「初めて聞いたわ。」
「初めて言うからね。」
「迷惑やな。」
「迷惑なんだけど、あれであいつらのイライラが収まるんなら、我慢できるさ。」
「僕ちゃんは、子供みたいやけど色々考えてまんな。」
「僕ちゃんは天王星で~す。僕ちゃんって、名前ではありませ~ん。」
「それで、天王星はん。他にいたずらは?」
「ないよ~。公転の修正も素直に従ってくれるし、白い嵐以外問題なし。」
「そりゃ、よかったわ。」
「確か、あの二人連れてきたのってハレーさんじゃあないよね。」
「ちがうわ。」
「おもしろかったよ~。あいつら、公転が逆だから大変みたいでさ~。」
「ワテでも、苦労しそうや。でも、迷い星は保護しないとな。」
「そうだよね~。でも、その彗星さん、息切れしててかわいそうだったよ~。尾っぽも小さくなってて、断れなかったんだ~。それで衛星にしたんだけどさ。その彗星さん。今は、彗星養成所の所長さんみたいだよ~。」
「ェッ、初耳や。」
「あとで、所長さんをからかってあげたら~。」
「やめときますわ。」
「おもしろそうなのに~。でも、迷い星を分散してくれて助かったよ。」
「一つの惑星はんに押し付けられんわ。海王星はんは、迷い星やのうても、あんな大きいトリトンが衛星になった途端、逆公転になってもうたんや。だから、木星はん、土星はん、僕ちゃん星にお願いしたんやろ。」
「僕ちゃん星って、そんな星ないよ~。」
「アハハハ。土星はんは衛星が多すぎるー。って悲鳴上げてますわ。」
「そういいながら、楽しんでるよね~。あの余裕。うらやましいわ~。」
「確かに楽しんでまんな。」
「そうだ。迷い星って、どこから来るのかな~。気が付いたら太陽系にいたんだって。」
「不思議と土星はんまでで、太陽神様に近づかんな。」
「近づいたら引き寄せられちゃうんじゃない。太陽神様の怖さが無意識にわかるんだよ。できれば、故郷に帰してあげたいけど、無理だよね~。」
「そうやな。そもそもどこから来たのかわからんからな。」
「そうだよね~。太陽系じゃないよね。他の恒星世界か~。もしかして、銀河ハローの生き残り?」
「銀河ハローは天の川銀河はんが飲み込んだ小銀河か。あそこは、確かに公転が逆だったわ。」
「そうだよ。逆公転なんて、太陽系では生まれないよ。」
「可能性はありまんな。」
「それに、天の川銀河を飛び回ってる恒星間彗星っているんだろ。」
「この前、話したで~。」
「太陽系の外から来るんだろ。他の星だってこれるよね。その彗星にくっついてきたとか。」
「ハハハ。想像豊かでんな。」
「僕ちゃん、時間はいっぱいあるからね~。でも、暇じゃあないよ。」
「土星はんは、暇って言ってましたで。」
「土星兄さんは、衛星に色々させているんだろうよ。それで、多すぎ~って愚痴ってるんだから、良い性格してるよね~。」
「土星はんに、言いつけるで。」
「良いよ~。笑って許してくれると思うから。でも、後で、兄さんの所から氷の塊が飛んでくるかも。」
「仲いいんやな。」
「そうだね~。もっぱら、愚痴の言い合いだよ。」
「金星の姐さんも、たまに会っても愚痴の言い合いだ~。言うてましたわ。」
「姐さん!!!あってる~。僕ちゃんも『姐さん』って、呼んでみよ~。」
「そのうち、『惑星の姐さん』や『太陽系の姐さん』になるよってな。」
「なる。なる。」
「終いには、『太陽系の女帝』や。」
「あ~。絶対なるね。」
「その日が来たら、どないするんや。」
「僕ちゃん、姐さんについていきま~す。」
「ワテもや。」
「「アハハハ。」」
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