2 お月はん、おばんやす。
「お月はん、おばんやす。」
「ハレーさん。こんばんは。地球さんはどうでしたか?行ってきたんでしょ。」
「ちょっとナーバスになってまんな。」
「地球さんは、真面目だからなあ。」
「リセットまで言い出したんよ。」
「リセットなら大丈夫。地球さんは地球を見放してないよ。」
「そうやな~。だったら地球はん、まだ頑張れそうやな。」
「地球さんは、簡単に諦めません。」
「でも、地球人はあんさんとこにも来てるんやろ。」
「うん。でも、僕のところには空気がないし、重力も軽いし、
何より温度差もありすぎるから、観光に来るだけだよ。」
「そうやな~。そもそも地球はんが今の姿になれたのも、
あんさんの存在が大きんでしゃろ。」
「そうだとうれしな。
僕は地球さんの美しく変貌する姿に魅了されたんだ。」
「地球はん、綺麗やもんな。」
「だから、こうして近くで見守ってるんだ。
だんだん緑や青い星になっていく様は飽きなかったよ。今も飽きないけど。
お手伝いは、チョットだけ。海の満ち欠けとかだよ。」
「それが大事なんやろ。謙遜しすぎや。
でも、地球は今も変わって行ってまんやろ。」
「残念だけど、緑の代わりに赤や茶色が増えてるんだ。
でも~、地球さんは努力してますから。」
「地球はんの努力は、頭が下がりまんな。」
「だから、まだまだ大丈夫。」
「ほんまに。あんなに一生懸命なのは地球はんしかおまへんな。」
「そうでしょ。それに、今でも僕のことを忘れずにいてくれるんだ。」
「あ~。地球にはお月はんの話が多くありますなあ。」
「うん。十五夜とか満月のお月見とかだよ。
僕を見上げて、お饅頭を供えてくれるんだよ。
ほら、満月で、人は人以上の力が発揮できるようになるんだよ。」
「昔話では、お月はんは神格化してはるんやろ。」
「ちょっと恥ずかしいけどね。僕の仕事が報われてると思うんだ。」
「きっと、地球はんは、
あんさんのことも考えてるさかい頑張れるとちがいまっか。」
「そうかもね。僕は地球さんがいないとここにいられないし。
僕は、どこに行くかわからないフワフワした存在しかなれないからね~。
僕って、誰かとくっついていないと固定されないからさ。
地球の衛星になれて超ラッキーだよねー。」
「地球はんは、そのことは?」
「知ってるよー。
もしかして、僕は地球さんのお荷物?」
「そんなことあらしまへん。
地球はんが、あんな風に温度管理ができんのは、
あんさんが太陽光から守ってるおかげなんやで。
今、あんさんがのうなったら、地球はんはあの姿を保てんと違いまっか。」
「そう、地球さんのあの姿は、僕のおかげ?」
「そうや。地球はんとお月はんはいいコンビでんな。」
「うれしいな~。」
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