16 姫星はん、頑張ってんな。(ブラックホールの子)
星になる決意をしたブラックホールの子供の話です。
「姫星はん、頑張ってんな。」
「ハレーおじさん、こんにちは。姫星なんて、恥ずかしいわ。」
「こっちによる途中にな、可愛らしい姫星はんができたって、ある星が、教えてくれたんや。きっと、あんさんのことやろ。」
「光栄です。」
「姫はんのおかげでここら、きれいになりましたな。ワテらも通り易くなったわ。」
「うふふ。みんなが協力してくれてね。力を合わせて頑張ってるの。」
「そう言えば、ここにいたクズ星らは、どないした?」
「おじさん、みんなはクズ星じゃあないよ。」
「そうやな。ワテが悪かったわ。」
「気を付けてね。彼らは、私の衛星になったの。まだ、不安定だけどね。私が安定すれば本物の衛星になれるかな。他のゴミたちは、吸着した後、私の血肉になってま~す。」
「ほんまや。前より、みんなしっかりした星になってまんな。」
「そうでしょ。それにね、ここにいた古株のおじいちゃん星を私が吸収させてもらって、内部から色々教えてくれるの。すっごく助かってるの。」
「そりゃ、大助かりでんな。」
「そうなの、星のこととか宇宙のこととか勉強してるの。覚えることばっかりで、忙しいの。」
「よかったわ。ワテも紹介した甲斐がありましたわ。どうやって、そないなこと。」
「あのね。まだ、ブラックホールの性質が抜けきらないから、おじいちゃん星の中心に空洞を作ってもらったの。」
「そんで。」
「空洞に、私が入って、おじいちゃん星の中心が私になったの。」
「なるほど。」
「今は、おじいちゃん星と私が同居って感じかな。」
「なるほど。」
「今は、吸収力と重力の加減を学んでるんだ。」
「すごいや。」
「おじいちゃん星のおかげ。」
「いいおじいちゃんやな。」
「うん。お母さんには、もう会えないけど、おじいちゃんができたの。」
「じいさん、姫はんのこと、頼むな。」
「おじいちゃん星がね。ケレスさんにあったら、『ようやく見つけた。』って伝えてだって。」
「ケレスって、あの爺さんのことか?なんで長老に?」
「伝えてくれれば、わかるって。」
「ようわからんが、わかったわ。」
「よろしくね。私は、おじいちゃんのおかげで、丸い球になれたんだよ。今は、ブラックブラックホールの中心が重力のになるよう色々考えてま~す。」
「日々、勉強やな。」
「うん。ゴミはブラックホールに取り込んで、星の欠片とかは、おじいちゃん星に吸収させてね。ちょっとづつ星を大きくしているの。」
「おもろい星になりそうやな。」
「私もそう思う。楽しみにしててね。」
「期待を通り越して、期待以上やったで。」
「じゃあ、ここの澱みは消えた?」
「きれいなもんや。でも、不思議や。あれだけ姫はんのおかあはん達が頑張って、綺麗にしとるのに、どっかに澱みがうまれとる。」
「うん。不思議だよね。でもさ~。あっちこっちでプヨプヨしてるより、一か所に溜まった方が良くない。」
「一層はできまんな。」
「それに、私みたいなブラックホールの生きる道ができたの。あのまま、太陽神様への送りが上手く行かなかったら……。私は、お母様に吸収されてたわ。ハレーおじさんには感謝しています。ありがとう。」
「感謝してるんは、ワテの方や。姫はんのおかげや。ここができれいになって、太陽神様もちょっと機嫌が上がりましたわ。」
「私は、大丈夫。お母さんに伝えて。きっと、心配してるから。」
「任しとき。姫はん、チョットの間に成長したんやな。」
「そう、うれしいわ。でも……。」
「でも……?」
「うん……。」
「ハレーおじさんに、何でも相談してみ。」
「え~と。衛星さん達とは、何となく繋がってるのはわかるの。励ましてくれるのもわかるの。」
「うん、うん。」
「でもね。お母さんみたいにお話しができないの。」
「そうやな。」
「ちょっと、寂しいの。」
「それは、主星と衛星の宿命やな。でもな。」
「でもって、何か方法があるの?」
「ワテも、よくわからんけどな。木星はんは、衛星と話ができるらしいで。」
「ほんとー⁉」
「本当や。木星はんくらい大きくなると、出力が違いよって、そのせいやないか。」
「それなら、頑張って、大きくしたら私もお話しできるかもなんだね。」
「可能性はあるで~。」
「私、頑張る。衛星さん達、見ててね。おじいちゃんがいるから、孤独じゃあないけど、おじゃべりは大勢が楽しいよね。」
「アハハハ。あいつら、Ⅴサインしてるわ。」
「キャ、キャ、キャ。なら、私はピースサインよ。」
「ハハハ。楽しそうやな。」
「うん。寂しいけど、楽しいよ。立派な星になって見せます。」
「うん、うん。心構えだけは、一人前やな。」
「エへへへ。」
「頑張れや。」
「はい。みんなと頑張ります。」
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