15 金星はん、ここは涼しいわ。
「金星はん、ここは涼しいわ。」
「何、おかしなこと言ってるのよ。私の表面温度は、360℃よ。ちぃっとも涼しくないでしょ。」
「アハハハ。さっきまで水星はんの所にいたよってな。」
「それでも、おかしいわよ。私は水星さんより熱い星よ。ボケるのは早いわよ。熱さにやられた。」
「そうやった。金星はんは水星はんより、太陽神様から遠いよって、錯覚したわ。」
「でも、涼しいなんて、初めて言われたわ。」
「そうそう、長~く生きてきての初めては、新鮮やろ。」
「誰の、受け売りよ。的は外してるけどね。」
「ボリソフ彗星はんや。この前、ちょっくら話したんや。」
「恒星間彗星さんね。おもしろい話を聞けた。」
「太陽系が一番おもろいらしいで。それと、尾っぽのある彗星は、外におらんて聞いた。」
「彼も、太陽神様の近くで尾っぽができたんだっけ。」
「やっと、彗星やって、自覚した言うてましたわ。」
「長~く生きて、初めて。ってことね。」
「これからも、初めてを探してみる。って笑って出て行ったわ。」
「楽しい初めてがあるといいわね。」
「ホントや。」
「で、涼しい私もハレーさんにとっては初めてよね。」
「ほんまや。いつも、寄らせてもらってるけんど、涼しいなんて初めてや。気付かんうちに、初めては、あるんやな。」
「ふふふ。ハレーさん、乗りが良いわね。でも、私も、日々を見直してみようかしら。新発見があるかもね。ちょっと、楽しくなったわ。」
「気の持ちようでんな。」
「そうそう。あっ、初めてじゃないけど、いつも気になっていたことがあるのよ。」
「何が?」
「ハレーさんは、私の後ろ姿って、見たことあるかしら。」
「女性の後姿をジロジロ見る趣味はありません。」
「わかってるわよ。なんで、標準語になってるのよ。おもろいわ~。」
「あんさんが、突飛なこと言いよるからや。」
「あはは。私の後ろにある、ちょっと他と違うラッセル地形よ。」
「あ~。ありますな。ワテも、なんやろうとは思ってましたわ。」
「でしょう。何か、ぶつかった後みたいにみえるんだけど、記憶にないのよね。」
「なら、かなり古いもんやろな。」
「ミステリーね。私の自転が皆と逆回転なのも謎よね。関係があるのかしら。」
「金星はん、なかなか、おもろいやないか。」
「そうね。自転の逆回転はなれてるけど、原因はしらないし、調べてみようかな。」
「どないして調べるんや。」
「太陽神様は、ご存じよね。でも、あの方に聞くのもねえ。」
「そうでんな。忙しそうや。」
「他に知ってそうな人はいるかしら?」
「なら、ケレスの長老はんや。」
「小惑星のボス!巷では、太陽系のラスボスって言われてる人よね。」
「そうや。なんでも、太陽系ができる前から生きとるらしいで。」
「大先輩ね。機会があったら聞いておいて。」
「了解や。」
「期待してるわ。」
「任しとき。」
「そう言うハレーさんのミステリーはないの?」
「ワテのか?」
「そうそう。」
「う~ん。そういえば、初代の彗星の話を聞かんな。」
「初代って、大切よね。」
「金星はんらの惑星と違ごうて、彗星は結構おるし、養成所まである程や。けんど、初代のことは、勉強せんわ。」
「どうして~。チラッとでも出てきてもいいわよね。」
「そうやな。ワテも調べてみるか。けんど、長老に聞いたら、謎でもなんでもないんやないか。」
「そうかもね~。でも、昔過ぎて、忘れてるかもよー。ちょっと、これは失礼よね。他言無用よ。」
「長老なら、笑って許してくれそうや。けんど、言わんわ。」
「よろしく。」
「他の惑星はんには聞かんのか?」
「二つ三つの惑星直なんて、結構あるからその時に話せるんだけど……。」
「どないした?」
「フウ。水星 『熱い。つかれる』(私の方が熱いの)
地球 『うちの者がご迷惑かけてないでしょうか。』
(神経遣い過ぎ)
火星 『ごめんなさい。休眠中です。』(ゆっくり休んで)
木星 『シューちゃんと忙しいんだ。新婚だからね』(ヘイへい)
土星 『衛星が多すぎて大変なんだ。』(管理能力を養え)
天王星『なんで真っすぐたてないんだー』(あんたの根性と一緒)
海王星『寒い。代わって。』(私も代わってほしいわ)
こんな風に愚痴の言い合いよ。時間が限られてるから、ヨシヨシするのが大変でね。」
「金星はんは、惑星はんたちの姐さんやな。」
「この際、惑星の頂点に立ってみようかしら。図体のでかい木星や土星を従えるのって、快感よね。」
「姐さんなら、できまっしゃろ。」
「計画書でも作ろうかしら。後々、【惑星の女帝】とか歴史に名を刻むのよ。燃えてきたワ~。」
「姐さん。ワテ、なんか、あつうなったきたわ。変な汗もでてきたし。」
「風邪でもひいた。お大事にねー。」
「ブルル。さいなら。」




