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彗星のお仕事  作者: 田舎娘


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10/34

10 デネング彗星よ、酒でも飲もうや。

ハレーさんが亡き友と語り合います。「……………。」は想像して完成してください。

「デネング彗星よ、酒でも飲もうや。」

「………………………………………………。」

「ワテのおごりや。肴も用意したわ。心配すんな。」

「………………………。」

「ああ、カンパイ。」

「………………………………………。」

「こうして、話すのも久しぶりやな。」

「………………………………………………。」

「要件か。決まってるがな。

 おまはんが先に逝きよったから文句を言いたいねん。」

「………………………………………………。」

「悪いと思ってるんか?ほな謝ってや。」

「………………………………。」

「ヨシ。許したる。でもよ~。何で逝きよった。」

「………………………………………。」

「それは、話してくれないんやな。」

「………………………………。」

「すまんじゃねえわ。」


     *  *  *  *  *


「………………………………………………。」

「ハア、なんで、おまはんと飲もうかと思ったかだって。」

「……………………。」

「実はな、地球はんとの会話でな。

 ワテら彗星は、有限の時間の中におるのに、

 星々らは、無限に近い時間を過ごしているな~思うてな。」

「………………………………………………。」

「そや。ワテにしてはおセンチやろ。笑って~な。」

「………………………………………………。」

「そない、大笑いせんでもいいやろ。そんで、おまんを思い出したんや。」

「………………………………………………。」

「そう言うこちゃ。もう一度聞くぞ。何で太陽に近づいた時分裂したんだ。

 分裂しなければ、まだ、彗星でいられたやろ。」

「………………………………。」

「やっぱり話してくれないんやな。」

「………………………。」

「フン。謝るんやったら話せ。

 ワテはな、おまはんが彗星をやめたことを怒ってんや。

 彗星に嫌気がさしたか。」

「………………………………………………。」

「違うんやな。じゃあなんで、いや、今更聞いてもショウもないやな。」

「………………………………………………。」

「そうやな。おまはんがのうなって、だいぶたったわ。」

「……………………………………。」

「ワテは、おまはんが彗星を捨てたんやなければ、それでいいんや。」

「…………………………。」

「フン、感謝される筋合いはおまへん。」

「………………………………………………。」

「ああ~。久しぶりのおまはんとの酒は、うまいな~。」

「………………………………………………。」

「そうか。おまはんもうまいか。さそった甲斐があるわ。」


     *  *  *  *  *

「…………………………………。」

「最近のおもろい話か。シューメーカーや。」

「………………………………………………。」

「おまはんも覚えているやろ。

 あいつ、木星はんに衝突してそのまま木星はんと結婚したわ。」

「…………………………………………。」

「ハハハ。おどろいたやろ。ワテも驚いたわ。

 木星はんなんてメロメロでな人格変わってたわ。」

「………………………………………………。」

「ワテに嫁はんか?いらんわ。」

「…………………………………。」

「寂しかないわ。ワテほど星たちと知り合いが多い彗星はおらんからな。」

「………………………………………………。」

「そうや。頼りにされてるんや。」

「………………………………………。」

「他は、火星や。」

「…………………。」

「そうや。死の星や。でもな、火星の嬢ちゃんがフォボスとの衝突をチャンスに変えて復活するんだと。」

「………………………………………………。」

「うん、長い話や。

 でもな、ワテは見届けるで。嬢ちゃんにも地球はんにも約束したんや。」

「……………………………。」

「ああ。頑張るわ。あとな。不思議なんやが、

 嬢ちゃんも地球はんも衛星と何となく思いが通じるらしいで。」

「…………………………………………。」

「驚くやろ。木星はんなんて会話してよったわ。どないしてや。」

「………………………………………………。」

「やっぱりな~。主星と衛星はどっかつながってんやな。」

「…………………………………。」

「木星はんはあんだけ大きいし、経験もあるしな、

 おまはんの言う通り、会話ぐらいできるようになるかもな。」

「………………………………………………。」

「そうやなあ。ワテら、いつも一人やもんな。」

「………………………………………。」

「うらやましいかって、少しな。」

「………………………………………………。」

「けんど、嫁さんはいらん。」

「……………………………。」

「頑固やおまへんで。」


     *  *  *  *  *


「………………………………………………。」

「ああ。ワテが、そっちに行ったらな。色々話したる。」

「…………………………。」

「まだまだ逝けんぞ。それまで、がまんして~な。」

「…………………………………。」

「ああ。酒が目にしみるな~。」

「………………………………。」

読んで頂いてありがとうございます。

今回はちょっと冒険をしました。

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