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Scene-08 血と砂

 存在しないが、存在する扉の奥では、巨塔が乱立する石の地下都市が広がっていた。

 都市()()()――そう言うべきか。

 石は悠久の歳月のうちに風化し、都市のほぼ全てには灰色の塵芥が厚く降り積もっている。 

 誰が――いや、何が住んでいたかも分からない都市は、既に死んでいるのだ。

 ただ一箇所の例外を除いて。


 その塔からは光が漏れ、意志を持つ者たちの動きがあった。

 迷い込んだ者が見たら安堵するかも知れない。

 例え、そこが牢獄であろうとも、人を切り刻む実験場であろうとも――



「……?」


 ふっ――と、荒士結実が目を覚ました。

 彼女の視界に飛び込んできたのは、継ぎ目もない滑らかな石の部屋だった。

 あるいは穴というべきかも知れないが。

 荒士は中央にある滑らかな石の大寝台に、裸のまま放り出されていた。


「くしゅん! ――くそ、鼻が痒い」


 鼻の下を擦ろうとしたが、腕が動かないらしい。

 しばらく赤ん坊のようにグーパー、グーパーとやっていたが、やがて諦めて一度力を抜いた。

 どうやら他の部位も同じらしい。

 見知らぬ場所で、裸――

 普通ならパニックを起こしそうなものだが、荒士はジト目無表情のままだ。


「確か……船の上で爆破が起きたんだっけな? ――で、何処だここ?」


 改めて周囲を見る。

 窓ひとつない大きな石の部屋だが、光はある。

 ただ光源は分からない。

 部屋の隅にはいくつかのバケツ――あるいは、蓋の取れた大缶が転がっていた。

 中には、菌と同化しつつある人の頭部が突っ込んである。


「人間の缶詰……なんとまあ。飢饉で死体を食った話なら聞いた事はあるけど、保存食として加工してるのを見るのは初めてだ。しかも頭ときた」


 まだ少し寝ぼけた目のまま荒士がつぶやく。

 どの缶にもラベルなどはなく、製造に関わった手がかりのようなモノはない。

 せいぜい擦り切れた逆三角の模様があるくらいか。


 ただし、知る人が見れば缶の正体はすぐ分かる。

 ミ=ゴの脳缶だ。

 確かに人間の缶詰であることは間違いないが、用途は食肉の保存などではない。

 人の脳を生かし続けることだ。

 そんなことは知らない荒士が、ため息をついた。


「オレも調理されて、アレの横に並ぶのかねえ……ふわぁ」


 欠伸しつつ、荒士が目だけで身体を見下ろす。

 ギュッと絞られた細い身体は少しやつれ、傷だらけの白い肌の下からは細い骨と、締まった筋肉が薄く透けている。


「脱がされている――ということは、ハラワタを抜く気かね。ヤルならせめてシメてからにして欲しいもんだが……ん?」


 バターン!

 唐突に、何処かで人を床に叩きつけたような音が響いた。

 だが、足音がまったく聞こえなかった――


「違う……違う! 僕は知らなかった、何であそこに……くそぉッ!!」


 喚きと叫びに地団駄が続く。

 荒士が無言のまま待っていると、ぽっかり空いた入口から学生服にマントという場違いさ全開の文学青年が現れた。

 青白い顔は――カルネレイジだ。

 目が合った荒士を見て、眉毛を寄せる。


「――驚いたな、どうして起きたんだ?」

「ああ、オレのケツに付いてる誰かの手形がむずついてね」

「なっ!?」


 カルネレイジが真っ赤になって飛び上がった。

 荒士の小さな顎を乱暴にねじ上げると、一具一句を刻むように呟く。


「ぬ、脱がしたのは確かにオレだが、誰がそのような破廉恥な真似をするものか。見くびるな!」

「――話す気があるなら目を見てくれ。オレはヘソで喋れないぜ?」


 返答は拳できた。

 荒士が寝ているので腰は入れられてないが、顔も殴られる。

 数発でカルネが引いた。


「ふーっ、ふーっ……見るなら、もっと麗しき姫の肌を望むわ!」

「はは……例えば瑛音さまかい」

「……」


 カルネが黙る。

 その目が、図星であることを語っていた。

 荒士がジト目をむき出した。


「いや、おま……マジかい!?」

「……」


 文学青年風の白い顔がギリと軋む。

 悪いか! ――そんなふうに。


「――おい、冷静に考えろよ。お前みたいのを瑛音さまが好むとでも思うか?」

「うっ、煩い!!」


 そもそも瑛音さまは男性だぞ――という言葉は、鉄拳で遮られた。

 さらに横腹も蹴られる。

 もっとも、荒士が寝ているので上手く蹴れていないが。


「か、顔で全てが決まる訳ではあるまい! 確かにイグの慈悲と神威は些か強すぎるものであるが、それは人の弱さの現れで――おお、いと深く在りし聖なる蛇よ!」


 最後に身を乗り出し、荒士の首を絞める。

 長く、強く――

 寸でのところで手を離したカルネが一歩距離をとった。

 荒士が空気を求めて激しく咳き込む。


「げほ、かはっ……は、だかの、おんなを……いたぶるのが、しゅ、み……かい」

「女の癖に減らず口が。――大人しく寝て待て。次に起きた時はもう終わっている」


 カルネが脇の台からガラス瓶を取り上げると、中身の透明な液体をたっぷりと布に染み込ませて荒士の口元に押し当てた。


「ぐ……もが……!」


 荒士は何度も咳き込み、カルネの手を退けようとする。

 だが叶わず――やがて静かになった。

 カルネは念のため暫く待ち、荒士が動かなくなったことを確信してから布を放り捨てた。


「女か……」


 しばし荒士の肌を見る。

 目に浮かぶは欲情――ではなく、郷愁だろうか。

 魔人の一角たるカルネと言えども、闃然とした人外の廃都に長くいることは耐えられないのかも知れない。

 そのまま意識のない荒士の顔を無遠慮に撫で、髪を梳く。


「綾瀬杜瑛音……ふ、ふふ」


 瞳孔が縦に狭まり、唇が左右に裂け始め――だが、すぐ仄暗い文学青年風に戻った。

 まるで許しを請うように首を振る。

 カルネの白過ぎる顔に昏い赤が差し、不満そうな表情が生まれた。


「ふん……失敗作どもがあれほど厄介でなければ、こうまで深くミ=ゴの領域に立ち入ることもなかったのだが。奴らとは反りが合わん。嫌われるならともかく、あまりにも馴れ馴れしい! 特に缶どもが――ん?」


 カルネの背後にある開きっぱなしの入口から、雷鳴みたいな音が響き始めた。

 地震のような縦揺れも始まる。

 揺れと音は徐々に大きくなり、ついには像の大軍団によるタップダンスに変わっていった。

 荒士が僅かに身動ぎするが、起きる様子はない。


「大方この音で目覚めたのだろうな。――ヴァルギリスの奴はこれの方が良いと言うが……もう少し、静かにできないものか」


 カルネが愚痴で顔を歪ませつつ去っていく。

 叫び声が遠ざかる―― 


「混沌の招来……今度こそ成功してくれればいいが。かか、かかか! 我らの悲願よ――人類の進化よ!!」





「ぺっ、ぺっ……まっずー」


 カルネが去ったことを確認した荒士が、口の中に残っていた薬を唾ごと吐き出した。

 流石に目は少しトロンとしているが、意識自体はハッキリある。


「これ、結社の施設で散々使われた奴かな。――お生憎だが、こっちは慣れっこなんでね」


 結社の施設――荒士がいた逆洗脳施設だ。

 そこでは発狂者に対して、まず睡眠薬による長期昏睡が施される。

 つまり四、五日ほど薬で眠らされるのだ。

 明治にバルビタールなどの新型睡眠薬が発明されたことにより生み出された、昏睡治療とでもいうべきものか。

 効果はあるし、昏睡中は患者の管理もしやすい。

 だが、二割ほどは二度と目覚めない危険な治療法だった。

 生き残っても劇薬や電気ショックなどの激しい苦痛を伴う治療が続き、それでも改善が見られなければ、更に――

 荒士はそんな治療を生き残った者の一人だった。


「おかけで、薬物にはすっかり耐性ができちまったな。さて――はぁぁぁっ」


 大きく息を吸い込み、腹でギュッと圧縮した。

 絞り込めたらしばらくそのまま待ち、それから腹を解放するように息を吐ききる。

 逆腹式呼吸――丹田呼吸だ。

 これを何度も何度も繰り返していくうち、荒士の肌に血の気が戻ってくる。


「ふぅ……よっと!」


 ゆっくり力を込め、そっと身体を起こす。

 艶めかしい起き方になるが、本人はまったく気にしていない。

 気に()()()()のかも知れないが――

 施設を出てから彼女が自分や他人の裸について反応したのは、瑛音の尻だけだ。

 これは瑛音が凄すぎるのだろうが。


「――ふう!」


 荒士がひょいと寝台から降りると、まず軽いストレッチ。

 アチコチの関節がボキボキと軋む。


「ててて、大丈夫か……ね。――さて?」


 部屋の中に興味を引くものはない。

 荒士は脳缶置き場を越え、カルネが立ち去った通路を伺った。

 滑らかな石の通路は左右に続いている。

 カルネが去った側の通路は、すぐ先でホールになっているようだった。

 大きな祭壇らしき場所もあり、落雷後にするようなキナ臭い匂いが漂ってくる――


「……」


 荒士は様子を伺った末、カルネとは逆方向に行くことにした。

 そちらに人の気配はないが、かつて誰かが行き来した靴の跡があった。

 行って戻ってきたのは、おそらく同一人物。

 カルネかも知れない。

 行きには道具を持っているが、帰りはおそらく何も持っていない――


「ミ=ゴの領域とか言ってたか……カルネたちよりマシだといいんだがな」


 荒士が靴跡を辿って石の通路を進んでいく――

 床や壁は継ぎ目もなく滑らかで、木や土、革などが混ざったような匂いが微かにしている。


「菌類の匂いか、こりゃ? 何処なんだ、ここ――いや、考えるな。ここは()()()()場所だ。それでいい」


 難しいことは考えない!

 結社にそう教わり、村茉にそれでいいと頷かれ、瑛音に正しいと太鼓判を押された荒士の処世術だ。

 事実、この場では最良の選択だろう。


「いま考えるのは――まずは出口かね。ないなら……ま、その時に考えるさ」


 足跡を追って進むにつれ、通路は複雑に分岐し始める。

 穴――というか、部屋も増え始めた。

 幾つかの部屋を覗いてみたが、どこも廃墟だ。

 高度な機械っぽそうな物もあったが、どれにも、何処にも砂塵が厚く積もっている。

 あれでは、とても動かないだろう。

 荒士は通り過ぎるついでに機械から金属片を二つ引っ剥がし、さらに床の足跡を辿っていく。


「通路とか穴の作りからして……巨大な蟻塚かね、ここ」


 やがて巨大な竪穴の底に出た。

 横穴が大量にあるにも関わらず、不思議なことに風がない。


「地下か、密閉された空間か。やっぱり蟻塚みたいなとこかね。そしてここが行き止まり――じゃないな。あそこか」


 壁の所々に、縄のついた金具が打ち込まれている。

 登ろうとした人間がいたのは間違いないが、登りきれずに諦めて帰った――そんなところだろう。


「うん……自分なら何とかなるかもな。入ろうとしてたのは――あそこだな?」


 かなり高い位置で、船着き場みたいな人工物が築かれている。

 あそこへ出入りする方法は――おそらく飛んで、だ。 

 ここを作った奴らは、間違いなく空を飛べたのだと判断する。

 その上で、荒士があここまで行くか考えた。


「――行くか」

 

 登りきれない高さでもないし、今のところ誰か――いや、ナニカの気配もない。

 そう判断すると、さっき見つけた金属片を使って猿のように壁登りを始めた。

 最初こそ少し苦戦したが、すぐ慣れる。

 グイグイと速度を上げていくと――アチコチから、ブーン、ブーンという羽音が響き始めた。


「ちっ……」


 登る速度を上げる。

 急ぐ!

 だが、背後の気配はこちらへ近づいてくる――


「このっ!!」


 荒士が登攀に使っていた金属片を背後へ投げた!

 当たらなかったらしいが、気配は遠ざかった。

 代わりに登攀道具を一つ失った荒士の身体が、壁をズリズリと滑り始める。


「まず……!」


 滑らかな石壁は、ただでさえ金属片を掛けられる場所が限られる。

 一本だけでは支えるのが手一杯で、登れない。

 さらに――再びブーン、ブーンという音が荒士に近づいてくる。

 焦る荒士が金属片、垂直の壁、身体にかかる重力、そして一番近い穴の位置を秤にかけ――


「このっ!」


 手一本と両足だけで体を支え、金属片を一度離し――少し先の壁に叩きつけた。

 もちろん刺さらない、一瞬引っかかるだけだ。

 荒士はその一瞬で思い切り体を持ち上げ、金属片を足に掛けて――飛んだ!!


 跳べたのは本当に一瞬だ。

 壁画みたいなポーズで必死に両手を伸ばし――指の数本が穴の縁に引っかかった!

 激痛と共に、荒士の身体が縁に辛うじてブラ下がった。

 足の下に圧倒的な空間を感じる――

 

「くっ……この、落ちてたまるか……!!」


 爪が裂けそうになる。

 それでも身体を支えられたことは間違いなく、必死に反対の手を伸ばして縁を掴んだ。

 次に足を伸ばし――とんでもない格好になりつつ、横穴に転がり込んだ。

 間髪入れずに全力疾走!!

 幸い、飛ぶ存在の邪魔は入らなかった――

 

「はぁ……いてて。ふー、ふー……んで、何処だここ」


 ズキズキ痛む指に息を吹きかけつつ、辺りを見回した。

 どう来たかは覚えてない。

 ここへ来るまでに細い脇道を降り、登り、鉱山みたいな場所を越えた気はするが――


「ここは神殿……いや、工場? それとも商店かね」


 機械らしきモノがあるから工場でいい気はするが、それにしては神々しい雰囲気があった。

 その原因は――さっきの缶だ。

 まるで祭神の像のように、壁に大量に並べられている。

 こっちの缶は全て蓋が閉まっているが……


「さっきのが食い終わったゴミの捨て場だとしたら、こっちは製品の蔵だな」

「(――誰かいるのかね?)」


 声と共に、荒士が即座に動いた。

 左手を犠牲にする気で突き出し、右手を影に隠しつつ待つ――

 やがて、さっきの声が再び響いてきた。

 今度のはずっと明瞭だ。


「驚かせたのなら申し訳ない。こちらは文字通り手も足も出ないよ。――なにせ無いからね。脅威を感じる必要はない」

「誰で、何処にいる」

「君の目の前だと思う。ああ……壁の缶を一つ一つ叩いてみてくれないか。蓋が閉まってる奴だ」


 カン、ポン、トン、トン――


()()だ。それが私だ」

「――喋る缶詰かい」


 そんな感想を聞いた缶の裏側がチカチカと光った。

 どうやら逆三角の飾りがあり、そこにある目みたいな二つの電球がチカチカと瞬いたらしい。


「はは、缶詰とはよく言ったものだ。食べないでくれると嬉しい」

「食べないよ。――で、声は何処から?」


 荒士が缶を持ち上げ、くるっと回す。

 三、四キロ程か。

 金属なのに冷たさは感じない。

 試す返すしてると、反対側に三角の飾りを見つけた。


「ここから声が?」

「そう、缶の一方にある小さな逆三角部の飾り部分が顔だ。そこに目と鼻と口と耳が集まっていて――すまない!」

「あん?」

「裸とは思わなかった、失礼を。私には瞼がないので、逆向きにしてくれ」

「見たけりゃ別にいいんだが……じゃあコレで」


 荒士が自分の体を見下ろし――肩をすくめると、その辺にあったボロ布をまとった。

 腰に一つ巻き、胸にも巻く。

 腰の方は風呂で瑛音がやっていた格好で、股下ギリギリだが隠れはする。

 缶がコホンとエア咳払いした。


「改めて、私の名はヴァレッシュ。――ジョージ・ヴァレッシュだ。こんな姿だが、元はロンドンのチェインウォークで医院を開業していた」 

「ユミ・アラシ。日本の東京って街で、奇妙な御方に仕えている。――で、あんたは何でまたそんな姿に?」

「はは、学説の証明のためにちょっとね」

「学説ぅ?」


 荒士がちょっと考え、思い至る。

 自分が瑛音の下につく直前にあった事件に、そんな本が関係していた。


「あんたの本を巡って、自分の主人が大騒ぎしてたよ」

「ほう! 読んでくれた人がいたとは嬉しい」


 無の砂漠にある古代都市を幻視して書かれた、ネクロノミコン異本『水の起源』だ。

 荒士にそこまで詳しい知識はなかったが、その本が原因で瑛音直属のチームが組まれたのは知っていた。

 ヴァレッシュ医師が缶の中でエア頷き、エア腕組みをする。――少なくとも、荒士にはそう感じた。


「生命の起源をたぐる方法がないかと思ったんだ。生命は水から生まれたから、水の起源を探せば……と」

「へえ……で、学説って奴は証明できたかい?」

「ああ、無論だとも! 幻視の後遺症に苦しみながら、何とか本にしたのだが……それが、とんでもない連中の興味をひいてしまったらしくてね。――以来、死なせてもらえない」


 缶を持ったまま荒士がしばし沈黙する。

 それが長かったか、短かったかは分からない。

 やがて口を開いた。


「――殺して欲しいか?」

「無理だ」

「オレはな。だが、あんたを殺せる相手に心当たりはある。紹介してやってもいい」

「不死の存在を殺せると?」

「その人は死人を殺したよ。詳しくは知らないけど猫と喋ることもできて、最近は蝙蝠の怪物みたいのもお供にしている」

「猫と蝙蝠……夢見地からの来訪者か? ――ふむ、それはとても興味深い!」


 缶詰のヴァレッシュが想像上の手を飛ばして、荒士の手を取る――取った意思が伝わってきた。

 エア握手だ。


「興味が出た、その人に会わせてほしい。代わりに暫く君の力になろう。――ミ=ゴに害を加える以外ならば知恵を貸す」

「そりゃ、ありがたい。ならまず――ん?」


 ドガン! ドドーン!!

 塔の下側から連続した衝撃が伝わってくる。

 さっきの衝撃とは違って塔全体は揺らさず、代わりに移動しているようだ。

 まるで()()()()のように――


「何だ?」

「ふむ……見に行ってみてくれないか。何かあればミ=ゴに伝えなければならん」

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