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第42話 大討伐

少し遅くなりました。

 現在タイレン森にてSランクからBランクの高ランク冒険者達総勢六十名による魔物の大討伐が行われていた。

 アンダンテの面々も戦闘力がないマリーと未だにランクの低いカイル達を除いて参加していた。


 エマ自体はカイル達の参加に賛成だったがギルドの上層部が許さなかったのである。



「魔法隊魔法用意!放て!」


「ストーム!」


「ファイア!」


「ウインド!」


「サンダー!」


「フリーズ!」


「弓隊!魔法で撃ち漏らした魔物を確実に仕留めて行け!」


「近接部隊!敵は減っている!油断せずに確実に仕留めろ!」


「おりゃああ!」


「くらえや!」


「ハインツ!後ろだ!」


「前線下がりすぎるな!戦線を維持しろ!後ろまで押し込まれるぞ!」


「魔法隊!もっと弾幕を張って敵を後ろに押し込め!味方には当てるなよ!」



 前衛と後衛は連携しつつ遭遇した魔物を確実に絶滅していた。

 上級冒険者の集団なだけあって皆一流の動きをしていた。



「しかし群れている魔物が多いな」


「前回来た時より群れの数が少ないね。カイル達を連れてこられなかったのが痛いね」


「俺は最近森に出ていなかったからどういう状態だったのか分からない。しかしこれは異常だな。一つの群れにきちんとした司令塔の役割をした個体がいる。まるで軍隊のようだ」



 最近魔物達も前衛、後衛に別れた連携の取れた攻撃をしかけてくるようになった。

 魔法が使えるものは後衛から支援、魔法が使えないものは前衛で突撃といった冒険者のような戦いをしかけてくるのである。


 怪我人こそまだ出てはいないが油断は出来ない状況であった。

 そしてリュカとルーネ、ラスクは現在後方にて全員で二十名の遠距離部隊に所属していた。


 フランツとアース、エミリア、ゼノビア王女、ロスは近距離部隊として前方を進んでいた。

 予定としては森を一周し、手当たり次第魔物を殲滅してタイレンに帰還するという警戒であった。


 そして現在はタイレンの森の奥部にあたる谷間を移動していた。

 しばらく順調に進軍していたが急に前方の方が慌ただしくなった。



「何だが前方が騒がしいですね。というか明らかに進軍スピードが違う!」


「何かあったのかもしれないな。皆警戒をしろ!ん?誰かこちらに向かってくるぞ」


「前方から伝令!」



冒険者の一人がリュカ達の方に向かって駆け寄ってきた。



「何だい?」



 この集団の隊長は一番ランクが高いルーネとなっていた。

 副隊長は最近Aランクに昇級したラスクだ。



「順調な進軍に気を良くした一部の冒険者たちが油断をし、警戒を怠り谷間の移動で部隊の隊列が伸びきった所を右側面から魔物の攻撃を受けました!」



 その報告を聞いたリュカは前方に向かって走り出した。

 シグルスもリュカについて走り出した。



「お師匠さま!前方の様子を見てきます!部隊を後方へ下げてください!」


「リュカ君!一人で行くのは危険だ!ラスク君頼む!」


「了解した」



 リュカとシグルス、ラスクは前方に進みながら道中の冒険者達に後方に下がるように指示しながら走った。

 最前線にに着くとフランツとアース、エミリア、ゼノビア、ロスの五人しか立っていなかった。



「広域殲滅魔法を放つ!後ろに下がれ!」



その言葉に五人はリュカの後ろに下がった。



「ファイアストーム!」



 フランツ達が戦っていた多くの魔物達がリュカの魔法によって燃え尽きた。

 周りにいた魔物達もその威力に怯んで動けないでいた。



「フランツ!今のうちに引くぞ!」


「分かった!」



 リュカ達は撤退することに成功したが前衛の半分程度が死亡し、エミリアとロスもゼノビアを庇い深手を負っていた。

 ゼノビアはエミリアとロスを看病していた。


 各部隊の隊長であるアースとルーネ、副隊長であるフランツとラスク、そしてリュカは今後の進退について話し合っていた。



「とりあえずエミリアとロス殿は深手といえど命の心配はいらないでござる。」


「それを聞いて安心しました。お師匠さま。このまま進むのは危険です。町に撤退したほうが良いです。死傷者についてですが……」


「前衛部隊の十八人が死亡。八人が重軽傷を負っている。これを全員で助けつつ帰還するのは相当キツイ」



 ラスクが現状について言及した。

 森の中でかなり深部にいる上に怪我人をフォローしつつ進軍すると行軍スピードが落ちることは間違いなかった。



「怪我人を捨ててなんて行けねえよ!何としても全員無事でタイレンに生還する!」


「フランツ君ならそう言うと思ったよ。何ここにはSランクが二人も居るんだ。それに部隊の皆も手練れだ心配することはないさ」


「そうでござるな。とりあえず今日はここを野営地として一夜を過ごし、明日の早朝出発。何もなければ夕方には帰還が可能でござろう。」



 夜遅くまでリュカ達は打ち合わせをし、生還する算段をつけるのであった。

誤字脱字、感想がある方はよろしくお願いします。

m(_ _)m


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