第31話 契約
間違えて登場人物紹介を話数に加えてカウントしてましたので修正しました。
ギガンテスとリュカ達の激闘を制したのはリュカ達でもギガンテスでもなく、一匹の黒い毛並みをしたウルフだった。
もっともリュカ達はただ一方的に痛めつけられただけとも言えるが・・・
「すまない。色々聞きたいこともあるのだがまずは仲間の怪我の具合を見させてくれないか。」
「分かりました。」
リュカは黒いウルフに断ってカイルとアースの様子を見るため二人に近寄った。
まず血だまりができ、重傷だと思われたカイルは出血量の割には思っていたほど怪我の具合が悪くなく回復魔法のヒールをかけて傷を癒した。
アースに関しては気絶しているだけだった。
仲間の具合が思っていたほど悪くなかったリュカは安心し、彼らを横に寝かせてから黒いウルフに話しかけた。
「色々聞きたいことがあるがまずは君がいったい何なのか教えてくれないか。」
「我は代々のハイエルフ様にお仕えして精霊です。名をシグルスといいます。」
「精霊だと!?」
精霊というのは主に世界中の魔力を安定させるために存在しているもので魔物が大発生するのを抑えている存在である。
普段は精霊士という職業を得てでもしていない限り目視することはできない。
「はい。ハイエルフ様達がお目覚めになられると、私も長き眠りから目が覚めます。」
「なら何故目覚めてからすぐに僕の元に来なかったんだい?」
「非常に申し上げにくいのですが今代のハイエルフ様は歴代から見てかなり力が弱いのです。ですから本来ならハイエルフ様の覚醒をしている、していないにかかわらず御身が誕生すれば私も目を覚ますのですが今回は目を覚ますことが出来ませんでした。」
「え?これでかい?かなり魔力が上がったと思うのだけど。」
「歴代から見てとうだけなのでそのままでも十分膨大な魔力を持っています。ただ歴代最強の初代様と比べると半分ほどの魔力かと・・・」
「初代ってのは化け物だったんだね。そういえばハイエルフってのは何か使命みたいなものはあるのかい?」
「特にそのようなものはありません。ただその存在が莫大な魔力を秘めているのであらゆる国や人物に狙われるでしょう。実際歴代のハイエルフ達は死ぬまで兵器のようなものとしてその存在を利用されました。ハイエルフを持つ者が世界の覇権を得ると言われていたくらいです。」
「うわあ。そういうのは嫌だな。なるべく知られないようにしないとね。」
「今代様は魔力が弱いのでよっぽどのヘマをしなければ知れ渡ることはなく、普通のエルフに比べて魔力が強いだけと思われるでしょう。」
「バレないことを願うよ。」
その後はシグルスについての話を聞いていくとどうやら他の精霊とは一線を画す存在であり、その戦闘力は魔物でいうSS級の力をもっているらしい。
本人曰く人々がハイエルフを利用しそれを哀れに思った神がハイエルフを守るために作り出した特別な存在、それがシグルスであるらしい。
一通り聞きたかった話を聞くとシグルスが契約を持ちかけてきた。
「リュカ様。契約をしませんか。そうすればあなた様をいつでもお守りすることが出来ます。」
「僕からは願ってもない話だ。こちらこそお願いするよ。」
「では早速ですが契約に移りたいと思います。」
「ああ。頼むよ。」
シグルスの足元より見た事もない複雑な魔方陣が現れた。
「我シグルスは古よりハイエルフを守護するものなり・・・神との盟約に従い今代のハイエルフと契約する。ハイエルフリュカよ許可を。」
「許可する。」
魔方陣から膨大な魔力がリュカに流れ込んだ。
リュカの魔力がそれにともない跳ね上がった。
リュカは突然体に電流が走ったような痛みを感じて地面に倒れこんだ。
「これに契約は完了した。以後リュカが死を迎えるまで守り通すと誓おう。」
「シグルス・・・魔力が・・・」
「心配は必要ありません。我と契約したことにより我の魔力の一部が流れ込んだだけです。」
「分かった。意識が飛びそうだ。後は頼んだぞ。」
「御意。」
シグルスとの契約を終えリュカは意識を失った。
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