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第15話 油断

「先行したパーティに全く出会いませんね。」


「うーむ。全滅してしまった可能性があるんじゃないか?」


「先行したパーティは全てBランクパーティでござる。さすがに全滅はないと思うのでござるが・・・」


「師匠!何か見えました!」



 森の入り口に大きな龍が見えた。

 どうやらこっちに向かっているらしい。



「まず作戦を言うでござる。先にリュカ殿がフラッシュによって目くらましをする。そこに拙者がすかさず土龍の首に斬りかかる。フランツは様子を見て拙者が作った切り口に斬りかかる。そこにエミリアがトドメをさすという作戦でどうでござろうか?」


「分かりました。フラッシュですね。」


「兄貴。ミスらないでくれよ。」


「分かりました師匠。」



 いよいよ土龍がリュカたちに接近してきた。しかし、その足取りは重く満身創痍であった。



「どうやら先行したパーティがかなりのダメージを与えているみたいでござる!チャンスなので一気に畳み掛けるでござるよ!」


「分かりました!では行きますよ!フラッシュ!」


「グォオ!」



 リュカのフラッシュは見事に土龍に命中し、仰け反った。

 アースはすかさず長剣を抜き土龍の懐に飛び込んでその首に綺麗な切り口を作った。


 アースの長剣はミスリルという特殊な金属で出来ており、その切れ味は刃こぼれせずに岩を真っ二つに出来るほどである。

 そこに間髪入れずフランツが背負っていた大剣を抜き放ち、土龍の首にある傷を広げた。


 しかし土龍は暴れ、その尻尾がフランツに当たりフランツはぶっ飛んだ。



「フランツ様!」


「大丈夫だ!エミリアトドメをさせ!」


「分かりました。」



 エミリアは盾を巧みに使い、暴れ狂う土龍の攻撃を最小限で受け流しつつ接近し土龍の首筋を片手剣で刺した。



「すごい・・・」



 エミリアの綺麗な一連の動作にリュカは感嘆の声をあげた。

 エミリアは素早く引き下がり一行は土龍の次の動きに構えたが、しばらく暴れた後、地面に倒れこんだ。



「どうやら倒したようでござるな。回収できる素材を切り取って、土龍自体の回収はギルドに任せるでござる。瞳と爪、牙を回収するのでフランツも手伝うでござるよ。」


「了解兄貴。いやぁ、完璧な作戦だったな。しかしとうとう龍を倒しちまったか、これからは龍殺しのフランツとかどうよ!」


「調子に乗ってると今に痛い目にあうでごさるよ。」



 フランツとアースが土龍に近づいた時、土龍が微かに動いた。



「なっ!?こいつ生きているのでござる!フランツ下がれ!」



 アースの忠告虚しくフランツとアースはぶっ飛んだ。

 二人とも動かないのでどうやら気絶したらしい。


 二人の心配をする間もなく土龍はリュカとエミリアの方向を見て口を開いた。

 リュカは土龍の口元に魔力が集まっていくのが分かった。



「ブレス!?エミリア!僕のの後ろに下がるんだ!」


「はい!」



 リュカは全魔力を身体の前に放出し、無理矢理魔力の壁を作った。

 これで相殺しようというのである。


 土龍がブレスを放ちリュカはそれを受け止めた。

 しかし威力を下げることは出来たが耐えられる訳もなくエミリア共々吹き飛んだ。


 魔力を全て使い果たすと身体の自由が利かなくなる。

 さらにリュカはブレスの直撃を受けてボロボロだった。


 エミリアも気絶したらしく状況は最悪だったが、どうやら土龍も最後の悪あがきだったらしく動かなくなった。


 それに安堵しリュカは意識を手放した。

誤字脱字、感想がある方はよろしくお願いします。

m(_ _)m

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