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第14話 緊急依頼

「拠点が欲しい!借家じゃなくて買いたい!」



 ある日フランツが唐突に拠点が欲しいと言い出した。



「いきなりそんなこと言われても・・・僕たちの資金はざっと勘定して金貨一枚だ。買えないこともないけど、武器の整備費やアイテム代、生活費、治療費、依頼中断の違約金などの残しておかなきゃならない金を考えると自由に使えるのは銀貨10枚程度だ。」


「フランツ様さすがにもう少し我慢するべきかと・・・」



 リュカはいつ間にかエミリアのフランツへの呼び方に様が付いているようになったのに気がついたが、深く突っ込まないことにした。

 ちなみにこの世界の貨幣の価値は銅貨が百枚で銀貨一枚、銀貨が百枚で金貨一枚となっている。


 大体食べ物を飲み食いすると1人あたり銅貨10枚程度であり、普通の宿に一泊すると宿泊費は銅貨40枚程度である。

 冒険者は命の危険があるため討伐依頼の場合達成金額が跳ね上がり、所持している金額が多いが命や怪我の危険性をはらむため準備に費用がかかるのである。



「そんなお前達に朗報でござる!」



 ドン!っと大きな音を立てて勢いよくドアが開け放たれた。



「な、なんだよ。アースの兄貴かよ。驚かせんなよ。」



 この辺な喋り方をする男はAランク冒険者アース。

フランツとエミリアの師匠である。


 ちなみに25歳独身。

25という若さでAランクという将来有望な人でSランク入りが確実視されているらしい。



「ギルドから緊急依頼でござる!報酬は1人金貨一枚!」


「金貨一枚?すげえ!兄貴、どんな依頼なんだ?」



 バカがすぐ食いついた。

 緊急依頼というのは文字通り緊急で危険度が高い任務である。


 なのでほとんどの冒険者が敬遠するのが普通である。



「なんと!町の近くまで土龍が接近しているのでござる!」


「な!?土龍ですか?無理ですよ!僕たちはDランクですよ!」



 土龍とはAランク相当の魔物である。龍の中では最下位だ。

 だが最下位とは言えAランクである。


 その強さは圧倒的と言える。

 ゴブリンロードは群れることもあり、Aランクだが土龍は単体でAランクなのである。



「ハハハ!大丈夫でござる!エミリアとフランツは実力だけで言えばC相当。むしろ免許皆伝となるにはこれほど素晴らしい機会はない!な〜にリュカ殿はちょいとサポートしてくれればいいし、もちろん拙者も全力で戦うのでござる。」


「それならまぁ・・・とりあえずギルドに行きましょうか・・・」


「エミリアとうとう俺たちの実力を見せる時が来たぜ!」


「はい!フランツ様!」


「本当に大丈夫なのだろうか・・・。」



 リュカは不安になりながらギルドに向かうのであった。



「エマさん緊急依頼をお願いします。」


「あら、リュカさんたちがこの依頼を?でもやめた方がよろしいのではないかと・・・」


「エマ殿!心配ないでござる。こやつら限りなくBランクに近い強さをもっているのでござる。それに拙者もパーティに臨時参加して戦闘に参加するのでござる。」


「アースさんがですか?うーんそれならまぁいいでしょう。アンダンテの参加を許可します。先行パーティが3組先に向かっていますのでそちらと合流して下さい。また、ソウケン様とルーネが現在別依頼を受注中なので帰還次第援軍を要請して向わせます。討伐が不可能だと思ったら無理せずに撤退してください。」



 依頼を受注したリュカ達はギルドを後にして土龍討伐へと向かった。

誤字脱字、感想などがある方はよろしくお願いしますm(_ _)m

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