第12話 魔王の封印
リュカとルーネはギルドでエマに報告をロードゴブリンとゴブリンの報告をしていた。
「ロードゴブリンですか……それはまた大物が出てきましたね」
「全く何が起ころうとしているのかね?」
「その事ですがルーネとリュカさんが森に潜っている間にルーテリア教会から世界中に向けて告知がありました」
ルーテリア教会とはこの世界で最大規模の宗教であり、神話の時代魔王を神々とともに封印したという勇者が戦後に神々を祀るために作ったと言われている宗教である。
世界中に信者がおりその信仰はこの国でも多大な影響を及ぼしていた。
「告知ですか?何か異変の原因が分かったのですかね?」
「はい。魔王の封印が弱まっているそうです」
リュカとルーネは一瞬ポカンとしたがエマの真剣な表情から嘘を言ってるわけではないと分かりすぐに頭を切り替えた。
「魔王ねえ。私は魔王なんて眉唾ものだと思っていたよ」
「私もそう思っていましたが、たしかにここ最近の魔物の動きがおかしいです。まだ確かな情報ではありませんが近々王国軍による討伐軍が各地に派遣されるとか。ルーネさん達Sランク以上の冒険者は何らかの依頼が出るかもしれませんね」
「私はSランク特権の一つである拒否権を使ってパスだよ。それにしても面倒なことになりそうだねぇ。私はリュカくんとイチャついていたいだけなんだけどなぁ」
「お師匠さま。胸を僕の腕に擦り付けないでください。」
ルーネはさもめんどくさいという表情でリュカの腕を触っていた。
「いいじゃないか。サービスさ!特に今回は頑張ってくれたしね。それにしても肌がスベスベだなぁ。ハァハァ!」
「鼻息が悪くて気持ち悪いです!セクハラです!」
「こほん!話は変わりますがリュカさんのギルドランクが現在Eでしたが、Dランクへの昇格が認められましたので登録させてもらいたいと思います。よろしいでしょうか?」
ルーネが暴走を始めたのでエマが無理やり空気を変えようと話を変えることにした。
「はい」
特に断る理由も無かったので謹んで受けることにした。
「それではDランクに昇格しましたのでこれからも頑張ってくださいね」
「おめでとうリュカくん。そんなリュカくんにプレゼントをあげよう」
そう言ってルーネは魔法具であるアイテム袋から一本の短槍を取り出した。
「槍ですか?」
「そうだよリュカくん。まぁ普通の槍より長くないから短槍だけどね。リュカ君は普通の槍なんてもてなさそうと思ってね。仮に持ったとしても小回りが利かないから不便だろうと思って杖に近い形状の短槍にしたのさ」
「なるほど確かに槍を振り回すのは少し厳しいですね」
リュカは特別非力というわけではないのだがこれまでの生活において魔法を多用した戦闘スタイルをとってきておりいきなり槍を使うのは困難であった。
「そして驚くべきことになんとこの槍は普通の槍と違い魔力を通しやすくなっているんだ。だから魔術を放つのも手助けしてくれるよ。ハイゴブリンとの戦いでも気づいたと思うけど魔法に依存しすぎるのはあまり良くないから無理しない程度に上手く使いこなしてね」
「ありがとうございます。お師匠様」
「気にしないでくれ君は僕の弟子なんだから。さてリュカ君悪いけど明日は用事があるから休みにしてもらうよ」
「分かりました」
「じゃあ今日はもう解散だ。またねリュカくん、エマ」
「では僕も失礼します。」
「さようなら。またのお越しをお待ちしています」
エマに挨拶をしてルーネとリュカはギルドを後にした。
宿に帰るとフランツもちゃっかりランクが上がったらしくDランクになっていた。
これによりパーティアンダンテの面々は全員晴れてDランクとなったのであった。
リュカとフランツは冒険者として道を一歩踏み出したのである。
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