第11話 魔法依存
リュカはルーネと共に道中の魔物を狩りつつ森の奥へと進んでいた。
「お師匠さま。あれじゃないでしょうか?」
リュカが前方にゴブリンの集落があることに気づいた。
「良く分かったね。偉いね〜リュカ君は。」
そういいながらルーネはリュカの頭を撫でた。
「頭を撫でないないでください!子供じゃないんですから。」
リュカは子供扱いに憤慨した。
「ん?ハイゴブリンだと思っていたけどそれにしては魔力が濃いね。どういうことだろう?」
リュカが怒っているのを軽く受け流してルーネも気配を探ると通常時より魔力が濃くなっているのに気がついた。
「お師匠さま。オーガレベルの気配を感じる個体が一匹います。」
「あれは……Aランクのゴブリンロードだ!それにハイゴブリンも3匹いるね。ゴブリンロードは確実に仕留めないとまずいな。オーガ程度の強さがあってさらにゴブリン達をコントロールできるんだ。オーガ以上に厄介な存在だ。悪いけどリュカ君も手伝ってくれ。」
「分かりました。何をすればいいですか?」
「私が遠距離から上級魔法を放ち大方のゴブリンを殲滅する。恐らく残るのはあそこにいるハイゴブリン3匹とゴブリンロードのみだ。ゴブリンロードは私が倒すからその間にハイゴブリンを引きつけてくれ。」
「Cランクを3匹も同時に耐えられるとは思いませんが・・・」
「大丈夫。少し耐えるだけでいいから。それに男なんだろう?意地を見せてごらん。」
ルーネは笑いながらリュカを挑発した。
「分かりましたよ!パワーアップした僕の実力を見せ付けてくれますよコンチキショウ!」
「じゃあいくよ!ファイアーストーム!」
瞬間ゴブリンの集落が次の瞬間火の海に包まれた。
その威力は全てを燃やし尽くしゴブリン達は阿鼻叫喚の地獄にさらされていた。
「うわぁ……これ生きているやついるの?上級魔法ってえげつないな。」
奇襲にしては威力のありすぎる魔法にリュカは戦慄した。
むしろドン引きした。
上級魔法ともなると使える者は一握りであり改めて自分の師匠であるルーネの実力を思い知らされた。
「リュカ君構えて!こっちに向かって来るよ!ハイゴブリンは頼んだ。」
ゴブリンロードと二匹の怪我をしたハイゴブリンが集落から飛び出してきた。
さっきの一撃で位置はばれてしまったようであった。
しかし幸運にも三匹の内の一匹は今の一撃で死んでしまったらしい。
さらに残りの二匹も手負いだった。
「まずは一匹仕留めてやる!」
ファイアとウインドの複合魔法を放ちハイゴブリンが怪我をしていたのもあり1匹は軽々倒した。
もう1匹のゴブリンは剣を抜きリュカに切りかかってきた。
リュカは杖でなんとか受け止めた。
「クソ!この距離じゃ魔法を放てない!」
リュカは体裁き自体悪くはないが、相手はC級である。
距離を詰められると魔法を唱えている暇は無かった。
何回もハイゴブリンの攻撃を受けている間に杖にヒビが入った。
「やばい!杖が割れる。それならいっそ・・・」
リュカは杖でハイゴブリンの攻撃を受け近寄った瞬間ハイゴブリンの腹を勢いよく蹴り飛ばした。
「バインド!そしてストーム!」
ストームはウインドの上位魔法である。
ランクとしては中級に位置する魔法だ。
ここ5日ほどで覚えたリュカの切り札である。
ストームの直撃によってハイゴブリンは倒れた。
「なんとかやったか・・・お師匠さまは?」
「大丈夫こっちも終わったよ。ハイゴブリンを倒すなんてやるじゃないか。だけど杖が折れてしまったようだね。どうだい魔法に頼ってばっかりじゃダメだということが分かったかい?今後は体も鍛えていこうか。」
「分かりました」
ゴブリンロードがもっていたのであろう上質な剣を戦利品とばかりに引っさげて師匠はこちらに向かってきた。
そしてリュカとルーネはゴブリン達の死体がアンデット系の魔物にならないように魔法で焼いてからタイレンの町に帰還した。
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