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役立たずの【翻訳】スキルと追放された俺、実は世界の理を書き換える最強の【賢者】だった~聖女様と悠々自適の建国ライフ~  作者: 早坂 拓也


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第24話:勇者再来。ただし、Version 0.1

第24話:勇者再来。ただし、Version 0.1


「……しつこいな。ゴミ箱からサルベージした『廃棄データ』をパッチ当てして再利用か」


「上位世界のカミサマというのは、よっぽど新規の開発コストを惜しんでいるらしい」


 世界のシャットダウン命令を「ロールバック」で無効化した翌日のことだ。


 アレンの予測通り、上位世界の「運営」は、姑索な解決策を選んだ。


 かつてアレンが初期化した「レオン」。

 その魂の残滓ゴミデータを無理やりサルベージし。


 そこに『神の力』という名の不格好な部チートツールを強引にパッチ当て。

 レオンを「勇者」として再生成したのである。


 アセティアの城門の前。

 そこには、粘りつくようなドス黒い魔力が渦巻いていた。


「……アレン。……アレン、出てこいッ!!」


「お前ごときが、世界の頂点に立つなど、この俺が許さんぞッ!!」


 泥だらけの服を着た少年が、そこに立ち喚いていた。


 かつて俺を「無能」と罵って追放した男。

 第15話で俺がその存在意義を「初期化」したはずの、元勇者レオンだ。


 だが、今の彼の瞳には、人間のものではない「ノイズ」が走り。

 背後には神威パッチの奔流が、黒い瘴気となって吹き荒れている。


「 Allen様……。あれは、本当に……あのレオンさんなのですか?」


「魂の形が、壊れたおもちゃのように見えます……」


「ああ、その通りだよセシリア。……俺への嫌がらせのためだけに作成した、ただの『実行用ダミー』だ」


「魂の整合性すら取れていない。……今の彼は、バグだらけの『Version 0.1』の試作品にすぎないよ」


 俺は城壁の上から、狂ったように剣を振り回す哀れな「残影」を見下ろした。


「俺は勇者だ……! 神から再び、奇跡を授かった唯一の選ばれし者なんだッ!」


「アレン、貴様の姑息なデバッグも、すべてこの『真・神の剣』で、一欠片も残さず消去してやるッ!!」


 レオン(の形をした何か)が、黒い亀裂を伴う大剣を振り上げ。

 俺のシステム領域を、力ずくでこじ開けようと突進してくる。


 だが、そのプロセスはあまりに稚拙だ。


(……ほう。システム領域をバイパスしようとしているのか)

(だが、やり方が数世代前の『力押しのウィルス』そのものだな。……反吐が出る)


 俺は指先一つ、眉根一つ動かさなかった。


 代わりに、城門の前の地面。

 あらかじめ敷設しておいた『自動デバッグ・トラップ(ハニーポット)』に信号を送る。


「死ねッ、アレン!! 貴様の傲慢ごと、この世界を切り裂いてやるッ!!」


 レオンが境界線にその一歩を踏み出した、まさにその瞬間だった。


――[不審な外部スクリプトの実行を検知(DETECT)]

――[例外処理:存在の強制休止(SUSPEND)を執行]

――[対象個体の物理定義を、一時的に『石ころ(Nodata)』へ置換]


 パチン、という、あまりに情けないほど静かな音。


 レオンが放とうとした、世界を両断するはずの一撃。

 それは、俺のトラップに触れた瞬間。


 青い粒子となってパッと霧散し、一ミリの破壊をもたらすことなく中和された。


 勢いのまま突っ込んできた体は、慣性を無視してその場に転がった。

 ズシャアァッ!! と、カエルのように無様に這いつくばる。


「……あ、が……。な、なぜ……だ。俺の授けられた、最強の力が……起動、しない……!?」


「今さら『勇者』なんて、俺がとうにサポートを打ち切った旧いVersionを呼び出されても困るんだよ」


「その剣も君の力も、俺のセキュリティからすれば、ただの『ポップアップ広告』程度の脅威でしかない」


 俺は城壁から静かに飛び降りた。

 泥にまみれ、絶望して震えるレオンの前に立つ。


「……レオン。……君はもう、この世界のログから消去されたはずの存在なんだ」


「上位世界に不当なパッチを貼られて戻ってきても。今の俺のシステムでは『ロード』すら拒否されるんだよ」


「……う、嘘だ……! 俺は選ばれたんだ……! 神に、選ばれた……ッ!!」


 レオンの瞳のノイズが、自我の崩壊と共にさらに激しく明滅を始めた。


 出力制御を失った神のパッチが、魂を焼き切りながら暴走し始めている。


 アレンの「鉄壁の拒絶」を突破しようとする、神々の執念。

 それが、レオンという『器』を物理的に壊し始めていた。


「……セシリア。……彼ら(運営)がどれほど無能か、これで分かっただろう?」


「自分の手駒が壊れることすら厭わない。……次はこの暴走ログを逆流させて」


「その先にいる『腐った管理者たち』の面拝を、直接拝んでやるとしようか」

ついに再登場したレオンですが、アレンの手にかかれば「ポップアップ広告」扱い。

魂の整合性すら無視した「Version 0.1」の再利用という設定、上位世界の無能さが際立ちます。


「アレンの無慈避なデバッグ、最高!」と思った方は、ぜひ評価(☆☆☆☆☆)でさらにアレンを波に乗せてください!

次回、さらに壊れゆくレオンと、アレンの「最終的な型変換ソリューション」が……。

明日19:00、ついに決着です! お見逃しなく!

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