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ダストワールド ~全宇宙のゴミ箱と呼ばれる世界の物語~  作者: 灰色
最終話 レウルとリトの過去と今とこれから
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レウルとリト プロローグ

 金髪のポニーテールを揺らし、鼻歌を歌いながらニフスは宇宙で輝いている星々を眺めていた。

 一つの光が消えては、新しく一つ光る。

 終わりと始まりが繰り返されている空間。


「可能性が終わり、新しい可能性が始まっているね。そしてそれはダストワールドへと集まる」


 楽しそうに、ニフスは消えては輝く星々を恍惚とした表情で見つめている。


「ニフス様、楽しそうですね」


 その時、水色の短髪で白色と赤色が入ったスカート姿の少女ミーメが、ニフスのすぐ傍に現れた。

 ミーメの周囲にはいくつもの本が浮いている。


「分からない可能性って、おつなもので良いからね。それで何かあったの?」

「……とある世界にある星が一つ、滅びました。その反動で大量のグラークが発生しています」

「別に報告するほどの事じゃないわね」

「今回はS級も発生。小さいのは他の世界に、S級はダストワールドへ転移を始めました」

「おや? 久しぶりだねぇ」

「数年ぶりになりますね……毎回、大物の相手をさせられるダストワールドの住民は大変です」

「仕方ないわ。理不尽に死んだ恨みを受け入れてくれる場所を求めてるだけだからね。もっとも、自分たち以外の存在を認めないけど」

「しかし、ダストワールドに来すぎではないですか?」

「いいのよ。あれも可能性の一つ。この世界は存在の終着点……ゴールなのだから」

「そして、スタート地点ですね」


 ニフスがミーメを見て微笑んだ。


「そう、原初の世界から飛び散った可能性が他の世界を産み、他の世界の可能性が集約される。その繰り返し」

「そしてあらゆる宇宙や世界は成長し続けるのですね。本来は相反する存在さえ全てを許容する……それがダストワールド。全てが存在する世界」

「管理者たちは、完全な世界を作る為に情報収集してるけど、完全でも完璧でもない存在がどうやってそんな世界を作る事ができるのかな?」

「答えは不可能」

「正解。私にも他の管理者にも無理。いい加減気付いて欲しいもんね」

「ごく僅かの者はこの世界の意味に気付きつつありますが、良いのですか?」

「ああ、クヴァルの事ね? 別に良いのよ。気付いて行動する事に意味がある」

「だからこそ、彼は世界の在り方と自身の役割に苦悩しました」

「でも、それは良い方向に動いたわ。なんせ、彼らをここへ送って来た」

「レウルとリト……数多の魂たち」


 ミーメの言葉にニフスは頷く。

 そしてニフスが指を鳴らすと、その周囲にはレウルとリトだけではなく、二人を取り巻く無数の姿が映像として浮かび上がった。


「あの二人はある種の意志を持ったグラーク。力は同じでも方向性が違うから、世界に受け入れられた。実に素晴らしい」

「では、今回のS級の相手は?」

「あの二人に任せましょう。たまにはあの姿をみたいしね。何より、彼女はきっと喜ぶ。で、二人の予定は?」


 問われたミーメの目の前にある本が、パラパラとめくれて止まる。


「どうやら近々、常夏 (とこなつ)の大陸エスタスに行くようですね。海か。いいなぁ。潮風が気持ち良いんですよね」

「なら、私たちも行きましょうか。お土産 (グラーク)を持ってね」


 ニッコリとニフスが笑った。


「承知しました。全ては貴女様の言う通りに『統率者ヒルニフィス様』」


 言いながらミーメが同じよう笑い返す。


「久し振りに本名で呼ばれたわ」

「たまには言わないと、ボケて忘れられても困りますので」

「わたしゃまだまだボケはせんぞよ。と、グラークは一応海付近にね。その方がいろいろとやりやすいだろうし」

「確かにそうですね。では、準備にかかります」


 と、ミーメが去ろうとした時、ニフスが止めた。


「あ、ミーメ」

「何ですか?」

「どんな水着を着るの? ハイレグとか着ちゃう?」

「……私は泳ぐのではなく、海を眺めたり潮風に当たるのが好きなんです」

「えー、折角ミーメのスベスベな肌を拝めると思ったのに」


 ニフスがミーメの身体を上から下までじっくりと観察する。


「ニフス様」

「ん?」

「視線と言動が、おっさん臭い。いえ、レウル臭いです」


 ジト目でミーメはそれだけ言うと、光の粒子になって姿を消した。

 一人残されたニフスは顎に手を当てる。


「これはきっとレウルのせいね。今度文句を言いに行こう」


 そして何かに納得したように何度も頷くと、ニフスの姿も消えた。


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