違和感
葉っぱと枝の、わさわさ、ごつごつとした感触。
俺は“おさげの男”の繰り出した超必殺技「疾風迅雷◯」をモロに喰らって真上に吹き飛ばされ、そのまま植え込みに放り込まれてしまったのだ。
「くそっ!なんて足癖の悪い奴なんだ!!」
枝をかき分ける様にして立ち上がろうとする俺を横目に“おさげの男”は吠えるかの如く大声で笑うと、言い放った。
「よぉぉぉし!燃えてきたぜェ!!」
テンションを上げる奴に対して圧倒的に不利な状態だ。
このまま起き攻めされる前に、早く体勢を整えないとマズい!
植え込みから足を一歩、踏み出そうとした俺だったが…。
ーーーあ、足が動かない…。
竜巻旋◯脚をガードした時もそうだったが、今回は衝撃がやけに身体に響いてくる。
これは疾風迅雷◯のダメージのせいだろうけど、意識を投影している青年の動きが明らかにおかしい。
しかも部屋に居る俺の全身へも痛みを伴う強い痺れが伝わってくるのだ。
それは実際に殴打されたものより遥かに小さな衝撃だろう。
でもこの前のボンバー◯ンの時に感じた痛みに比べても、よりリアルな重みがある。
ーーーこれはマズくないか?
痛みと痺れは一瞬で消えたものの、恐怖が収まらない。
俺は一旦距離を取り“おさげの男”の様子を伺った。
身体は…問題無く動く。大丈夫だ。
しかしまた大技を喰らったら今度は倒されてしまう、そんな予感がする。
飛び蹴りからの連係を仕掛けてくる“おさげの男”。
防御に徹しながらも、一つの事が頭の中を駆け巡っていた。
ーーー倒されたら俺の身体はどうなってしまうんだろう?
“おさげの男”の鋭い蹴りがギインッと唸りを上げて俺の顔を掠めた。
考えるのは後回しだ!今はもうやるしかない!このままでは…負ける。
姿勢を正して構える俺を見た“おさげの男”は何故か嬉しそうに叫んだ。
「そうだ、もっと素直にいこうぜ!俺がすべて受け止めてやっからよォ!!」
“おさげの男”が繰り出した横蹴りを弾き、ここから反撃を開始する!
「おおおおお!幻影◯!!」
残像を伴う高速蹴りが“おさげの男”を捉えると、散弾で蜂の巣にするかの如く全身を滅多打ちにした。
「ここから!」
中腰に構え両手に集中する。
「ごぉぉぉっつい!!」
俺の全身から気が溢れ出し、そしてほぼゼロ距離から…。
「タイガーバ◯ーカじゃあ!」
目の前で起き上がろうとする“おさげの男”に虎の形をした巨大な気の塊が襲いかかり、そのまま吹き飛ばした。
「出直して来いっ!」
何故か関西弁になってしまった俺。
そして“おさげの男”は笑い声を残しながら消え去ってしまった。
…逃げた?いやでもワイ…じゃない、俺の勝ちだ。




