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救助

 拾い上げたメガネは特に傷も無くそして見た目に反してやたらと軽かった。

そしてその持ち主の関は給湯室の前でうつ伏せに倒れていた。


「おい!関!大丈夫か?」


「なんだカッキーか…。」


ーーなんだではない。


カッキーは俺の渾名なのだが、会社に居る間はいつも苗字呼びのはず。

平静を装っているが奴も動揺しているのだろう。


 怪我が心配なので一先ず動くなと言う俺を制して起き上がる関。

服を叩いて何事も無かったかの様にしているので、どうやら大丈夫そうだ。

ならばと、俺は落ちていたメガネを渡した。


不思議な事に関の表情は嬉しい様な照れている様な?はたまた困っている様な微妙な感じがする…。


「ありがとう。これ壊すと大変だった。」


「確かに。壊れなくて良かったよね。」


「ああ、姉がさ…え、選んでくれたメガネでさ。だから余計に壊せない。」


「あっそうなんだ。誕プレとかなのかな?お姉さんからとは羨ましいな。」


 黙ってメガネのチェックを始めた関に、一体何があったのか聞いてみる。


「それがさ、給湯室まで来たら女子が会話してて。そこにいきなりボンバーマンが現れてさ。女子に爆弾を投げてきたんだ。」


身を挺して女子社員を爆弾から護ってくれたのか。

温和で頭も良く身長もある関は恐らく昔から女子人気が高く、今回の事が噂にでもなれば更にもてるのは想像に難くない。


 給湯室にも特にダメージは見当たらず、30分もすれば社内は何事も無かったかの様に業務が動き出した。

正直に言えば俺はお疲れなので帰りたいのだが。

それでも被害も、ボヤやガス漏れにならなくて良かった。


 定時まで耐えながら仕事を片付け、ほうほうの体で帰宅した俺。

頑張った自分へのご褒美としてコンビニで買ってきたご馳走(ツナマヨおにぎり、焼きそば、サラダ、チキン)を貪りつつメンバーになっているVTuberさんの配信画面を開いた。


 ここは普段通り平和そのもの。

いつもの配信主が場を盛り上げ、常連さんと初見さんが仲良く入り混じりながらコメントを連ねている。


疲れと安堵で思わず大きな溜息が出てしまった。

最近身の回りでおかしな事ばかり起きているのだ。

疲れをご馳走と配信で吹き飛ばしてやる!

と、顔を上げるとそこに信じられないコメントがあった。


「今日どこかのビルでボン◯ーマンが実体化して暴れたらしいね。」


…は?

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