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奇妙なコメント

 そのコメントは誰の気に留められる事も無く上へスウッと流れて行った。


何故ボンバー◯ンの事を知っている?

もし消防車が来る様な騒ぎにでもなっていたのなら分かるけれど、それは防いだし…。

つまり社内のごく一部の人間しか知らない筈だ。


一体誰が?心当たりがあるとすれば、あの場所に居た…まさか関なのか!?


 関との出会いは高校一年まで遡る。

切っ掛けは新作ゲームの話題だった。

高校生活が始まって間もない頃、皆がまだ打ち解けていない状態で、誰が言い出したのかすら分からないけれど、そのゲームのお陰でクラスの大半と繋がりが出来た気がする。

そしてその中で俺と一番趣味が近かったのが関だ。

それから俺達は休み時間やお昼によくつるんではゲーム談義やバカ話をしていた。


だから関の性格はよく知っている。

決して社内で起きた異常なトラブルを言いふらす様な人間では無い。

それは間違い無いのだけれど、かと言って俺が観ているこの配信でわざわざ話題を振られた事実は偶然と思えない。

もしかしたら所謂“巡回先”を話していたかも知れないのだ。


「あっ…しまった…。」


 あれこれ考えている間に例のコメントは流れて消えてしまっていた。

せめてアカウント名だけでも覚えておけば何らかの手がかりになったかも知れないのに…。


 俺はツナマヨおにぎりを口の中に詰め込みながら左手でスマホを掴んだ。

疑いたくは無いのだが、急いで関にメッセージを送ってみよう。

もしあのコメ主だったなら、このタイミングで俺から連絡があれば何かしら反応がある筈だ。


返信はすぐに返ってきた。


「お疲れ様!今日は大変だったね?怪我とか具合悪くなってない?」

ーーおつかれ!大丈夫だよ!メガネ拾ってくれてありがとうな


「それにしても何でボンバー◯ンなんだろうね?他に何かあった?」

ーーそれがさ女子社員2人が酷い噂話しててさ、オレともう1人でやめなよって止めてたんだけどさ


「うん?それで?」

ーー別にいいじゃーんって言われてイラッとしたんだよね。その瞬間にボンバー◯ンがあらわれてさ。関係ないとは思うんだけどさ。


あれ…?やはりあのコメントをしたのは関では無さそうだが、予想外の話になってしまった。

どう返信しようかと考えていると…。


ーーその噂話してた2人はボンバー◯ン見えてなかったぽい。でもその割に爆風は分かったみたいでガス爆発ー!ってさけんでたよ。


「へぇー面白いな!ありがとう。じゃ、おやすみ!」


俺はそう返信して無言でテーブルにスマホを置いた。


 あれ?もしかしてボンバー◯ンを出現させたのって関じゃないか?

そして噂話が好きな女子社員を身を挺して護ったのも関だ。


もし社内でガス爆発から護ってくれたとか噂になれば関は更にモテてしまうのだろう。

だがその原因を作ったのも関だとしたら…これって何なのさ?


世の中の不公正さに若干の目眩を感じる俺であった。

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