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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
フリーヶ丘はままならない編
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6.超悪い子軍団とクリスマス

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの町には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。

そんな悪の組織もクリスマスには存在して……?!

今回は『超悪い子軍団』の季節イベント回です。

気軽にどうぞ!

「「「メリークリスマース!」」」

アレプト、ブエルとグシオンの上機嫌な声が響く。オティスは静かにシャンメリーの入ったグラスを掲げていた。

「いやあ、クリスマスパーティーまでやるなんて悪の組織って福利厚生が充実してるんだね」

「これは忘年会も兼ねた慰労会でもあるけどね。経費として使えるなら使わないと損でしょ!」

テーブルの上には双子玉川まで電車で行って購入してきた豪勢なデパ地下惣菜が並んでいる。勿論、ゲンタッキーも外せない。

「フフフ、僕の計算では、僕のプレゼントは九十九%の確率で喜ばれます、自信がありますよ今回は」

「……私は忘れてないぞ、前回のものを」

「そうね、はんだごてセットは正直場所の邪魔だわ」

各々好き勝手に言う。はんだごてセットはリビングの飾りとなっている。

「へー、まあはんだ付けって普通は家でやらないもんね。じゃあ俺から!」

「いいわよ、何を用意したの?」

「ジャーン!クリスマスブーツお菓子詰め合わせ・豪華版!あ、このクッキー消費期限二週間しかないから気を付けてね!」

「あら、あの有名菓子店とかのも入ってるじゃない、やるわね」

「甘味は脳を働かせる……」

「いいですねえ!この天才発明家にはピッタリのものです」

三人からの好感触を受けてブエルは照れくさそうにする。

「いや、ダチとかとの交換会とかは慣れてるけど職場の人、特にオティスなんだけど……何が嬉しいかわからないからとりあえず無難なものでって感じ!」

「まあ消費物は一番ありがたいわよね」

「私が……わかりにくいだと?!」

「当番回はまだ先ですし、寡黙ですから文章だといるのかいないのかわからないですからね、あなた」

多少心外そうな顔をしたオティスは真顔に戻ると、三人へプレゼントの箱を渡す。

「私からはこれだ。受け取ってくれ」

三人が開けるとそこには美しいペーパーナイフが入っていた。

「え!すっげー!かっけー!」

「ああ、ちょうど新しいの欲しかったのよね、ありがとう」

「おや、これはあなたが愛用している刀匠のものではないですか」

グシオンが指摘するとオティスは誇らしげな顔で答える。

「その通りだ。味方に刃を向けることはないからな、私の剣の切れ味をこれで体験してほしい」

「いや~、向けられるのは勘弁してほしいかな、って……」

「冗談だ」

「冗談なんだ……」

若干困惑したブエルを横目に、今度はアレプトがプレゼントを取り出す。

「ふふん、今年のアレプト様のクリスマスプレゼントは豪勢なんだから。まずブエル!」

「はい!」

「ほら、ありがたく受け取りなさい!」

「やったー!開けていい?」

「いいわよ!」

ブエルがアレプトから箱を受け取る。中にはシックなデザインの万年筆が入っていた。

「うわ~、こんな高級そうなのいいの?すっげー、地味に憧れてたんだよな、万年筆って。こう、できる大人!みたいな感じじゃん?」

「初心者向けのやつを選んだわ!それで勉学に励んでこの『超悪い子軍団』に貢献なさい!」

「ありがとう、アレプト様!」

「次!オティス!」

「ここに」

オティスはアレプトから同じように箱を受け取ると、開ける。そこにはシンプルながらも上品なデザインの簪が入っていた。

「これは……!」

「特注品よ。戦闘中邪魔でしょう?でもあんた、キャラ被り気にして一向に切らないから、それならまとめればいいじゃないって」

「なんという心遣い……至福……!」

「で、グシオン」

「はい!」

「あんたはこれ」

二人の物とは違い、封筒が渡される。グシオンはそれを開けると目を見開いた。

「これは……!縦浜の億葉倶楽部の年パス……!」

「あんたいつも根詰めて肩とか腰とかヤバイでしょ。うちの狭い風呂じゃなくて広い風呂に入ってほぐしてきなさい」

「ありがとうございます!地味に行ってみたかったんですよねえ、あのスパ銭!」

ウキウキで懐に封筒を仕舞う。

そうして最後、グシオンのターンになる。

「そうですね、僕からは……普段の感謝を込めてこんなものを作ってみました」

一旦部屋に戻り、両手で抱えられるサイズの球体を持ってくる。

「……プラネタリウムです。簡易的な物ですが、一時でもこの世界を支配したように思いたくて」

「へー、グシオン、そんなのも作れるんだ」

「……アレプト様に相応しいものだ」

「なかなか洒落たものを作るじゃないの!」

三人が笑顔になったのを見てグシオンは照れくさそうにする。

「そう言って貰えて嬉しいです。これ、エレクサと連動するんですよ、エレクサ、プラネタリウムを付けて」

その言葉を発した瞬間、場が凍り付く。エレクサが返答したのち、男の声が聞こえる。

「こんばんは、天使セラです。講演を行った大学を見学していたら面白そうなものが見つかったのでささやかながら改造させてもらいました。では、ビッグバンの追体験をどうぞ」


瞬間。


爆発するプラネタリウム!

崩れ落ちるビル!

崩壊に巻き込まれる一階のコンビニ!


どこかで感じた既視感を覚えながら、アレプトは瓦礫の隙間から這い出る。

「あの男……!覚えてなさいよー!」

行き場のない怒りが、フリーヶ丘のクリスマスの夜を支配していった。

メリークリスマス、Ms.アマツカ。


途中まで平和だったのに……大切なものは手元できちんと管理しておかないとですね。

クリスマスも”ままならない”超悪い子軍団でした。

みなさんは平和なクリスマスをお過ごしください。

次回も季節イベント回です。お楽しみに!

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