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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
縦横線はままならない編
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47.超悪い子軍団とポイ活

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。

そしてグシオンはポイ活をしていた。

ブエルが学校から帰ってくると、グシオンが居間兼会議室で複数台のスマホを弄っている姿を見る。

「ただいまー、なにやってるの?」

「ポイ活ですよ、ポイ活!テイミーをやるより効率的なサイトを見つけてしまいましてね……複数端末が止まらないわけですよ!」

「そういうのって複数端末ダメなんじゃない?」

「わかってませんね、僕たちは悪の組織ですよ。利用規約なんてただの紙です」

利用規約で悪事ができるならもっと楽になるのではないだろうか。ブエルは言葉を飲み込む。

「それで、今はなにやってるの?」

「悪の組織の作戦内容の具体的な回答です」

「なにやってんのよあんた!」

部屋からアレプトが出てくる。

「おかしいと思ったのよ、最近悪事をやろうにも警察やら正義の味方やらが巡回してて上手くいかないなんて……あんた情報漏洩してるじゃない!」

「でも作戦を考えてるのは僕ですよ?」

「理論をすり替えないで!悪事は予告なく行うものよ!怪盗じゃないのよ!」

「なら今日から怪盗団を名乗りましょう」

「何を盗むの?」

「貴方の心……ですかね」

「脳缶になるの?」

「オティス、この馬鹿を物理的に黙らせなさい」

「承知」

オティスはグシオンの鳩尾に綺麗なパンチを喰らわせる。

無論、グシオンはそのまま崩れ落ちる。

「……仕方ないわね、えーっと……もしもし、清水さん?ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」



「悪事の情報漏洩の回収ですか。はい、お任せください」

要請を受けて来た清水は事情を聞くと即答する。

「本当に?今から挽回できる?」

「はい、簡単です。これらを“虚偽の申告”にすることを悪事にするんです」

「なるほど、情報操作をした、ってことにするのね……」

「今月の悪事も稼げて一石二鳥です」

淡々と清水は続ける。

「ポイ活の不正複数アカウント運用、虚偽の悪事申告、悪事ポイント、高いですよ」

「悪事ってポイント制だったんだ……」

「そうですよ、一万ポイント貯めると有効期限三日の豪華商品券が貰えます」

「短すぎない?」

「うちの新人に嘘を教えないで。……問題は今後の実際に行う悪事をどうするかよ」

平然と嘘を教える清水をアレプトは牽制する。

「ポイ活用と実際にやる用で分けたら?」

「そうね、このアホの脳味噌を有効活用しようかしら」

床で伸びているグシオンを横目にアレプトは言う。

「ありがとう、清水さん。おかげで助かったわ」

「いえいえ、これが仕事なので。それでは」

そう清水は言うと去っていく。

「さあアホメガネ、仕事の時間よ」

鬼の形相でグシオンに向かうアレプト。ブエルは心の中で合掌しておいた。



「届きました、ポイ活の商品です!」

後日、グシオンはダンボールから物品を取り出す。

「何を頼んだの?」

「ふっふっふ……なんと、A五ランク和牛です」

「なんですって?!」

「悪の組織の母数自体はあるものの、ポイ活に参加する組織は少ないから見返りがすごいんですよ、見てくださいこの輝き……!」

「よくやったわね、今夜はすき焼きよ!」

「……あんだけ怒ってたのに水に流すんだ……」

そういうところが悪の組織なのかもしれない。ブエルは心の中でそっと思った。


ポイ活、効率いいですよね。

悪の組織のポイ活ってなんでしょうか。

超悪い子軍団の資金は、ありません。

次回もお楽しみに!

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