41.天使セラとニンゲンコレクション
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そしてフリーヶ丘に住む天才博士、天使セラはとあるゲームに興味を持っていた。
セラ回です。
「ニンゲンコレクション?」
「……博士、知らないんですか?今巷で大バズりのゲームです。ナンテンドースミッチ対応、知り合いを作って遊ぶゲームですよ」
セラはハマリエルの遊んでいたゲームを調べていた。
ニンゲンコレクション。マイと呼ばれる擬似人格を模したキャラを作り、人間関係がどうなるか観察するゲームである。
ちなみにハマリエルのゲーム内ではオティスと等館がハマリエルを取り合う三角関係になっている。勿論ハマリエルがそう仕向けた。
「なるほど、箱庭ゲームか。リアルの人間観察の方が面白いのに一般人は面白いことをするね」
「そう思ってるの博士だけだと思ってますよ」
「ふむ……そうだね。私もやってみようか」
「……え?!博士がですか?!」
「私のことをなんだと思っているんだい?私だって流行りのものには手を出したくなる時があるんだよ」
「セラ博士、よく機械みたいって言われますもんね!」
アイちゃんが茶々を入れる。
こうしてセラはスミッチとソフトを購入したのだった。
一週間後。
「博士の島、どうなっていますか?」
ハマリエルが聞く。
「ああ、最初の三日間くらいはちゃんとやっていたんだけどね。あまりにも平和すぎてソフトを改造したよ」
「ええ?!なんてことしてるんですか!」
「それでマイ同士で争えるようにしたんだ」
「何やってるんですか?!」
セラは画面を見せてくる。そこには定期的に起こる爆発、更地になる街、自動的に復興する島があった。
「メインクラフト?!ぷくあぺけもん?!」
「超悪い子軍団と処女機構のデータを全部ぶち込んだらこうなってね」
「七人でこうなりますか?!」
「ちなみにマイを操作して戦えるシステムも作ったんだ」
「アーペックス?!」
「やはり現実と同じくらい理不尽じゃないとつまらないからね」
「一般人がニンゲンコレクションに求めているのはそういう刺激じゃないんですよ!」
「ふむ……そうだね。じゃあ私がニンゲンコレクションみたいなゲームを作ろうか」
「……え?」
スミッチを置き、セラはパソコンへと向かう。
「裏切りあり、爆発あり、理不尽あり。そんなスリルのあるゲーム体験を人々に送ろうじゃないか。アイ、企画書の作成を」
「はいはーい!高性能AIプログラムアイちゃんの手にかかれば一日で完成しますよ!こんな感じでどうでしょう!」
「ふむ、いい感じだね。じゃあ作って」
「了解でーす!」
地獄を察したハマリエルは静かにその場を去る。
(そんなの開発する暇があったら早く記憶を消す機械を完成させてくれないかな……)
そう心の中で思いながら。
「……なにこれ、ニンコレのパクリじゃない」
ニュースを見ながらアレプトは言う。
「どうしましたか?」
「天使セラ、ゲーム開発。stormで配信開始ですって」
そこに出されてたのは「人類コレクション」と題されたゲームだった。
「なになに?……裏切りあり、不倫あり、爆発あり……最悪のゲームじゃん、これ!」
「天使セラの嫌なところが注ぎ込まれているな」
「まあ敵情視察です、購入してみましょう」
グシオンがパソコンを立ち上げ、購入をする。
「……なんですかこれ、容量がモンスターハンティングくらいありますよ?!」
「グラフィックがやけに高性能じゃない!」
「ニンコレに求めてるのってこういうのじゃないんだよな……」
様々な感想を言い合う。ちなみにダウンロード時間は丸一日かかった。
「キャラクリが無駄に凝ってますね……」
「キャラクリだけで一日溶けるじゃない!」
「もう敵情視察なんだから適当でいいじゃん、ほら完成」
適当なキャラを作り島に放り込む。
すると島は爆発し、キャラは死亡する。
「「「……え?」」」
ゲーム内の表示には「まずは身の回りの安全を確保してから投入しましょう」と書かれている。
「……あいつ、すごいクソゲー作ったわね」
トロフィー一万五百七十二個の人類コレクションは、評価が「非常によくない」で埋め尽くされ、クソゲーの海へと沈んでいった。
「……おかしいですね、こんなに評価がよくないとは。なにがいけなかったんでしょうか」
「本当ですよね、最新技術全部ツッパしたのに!」
(全部、じゃないかな……)
ハマリエルは心の中で静かにツッコミを入れた。
こんなゲームを出したら最強の法務部が飛んできそうですが、安心してください。フィクションです。
多分博士もそこまではやりません。多分。
セラにもままならないことがあるみたいです。意外ですね。
次回もお楽しみに!




