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悪の組織はままならない!【第三部開始】  作者: 白洲晶
縦横線はままならない編
43/46

36.グシオンと彼女

丁京都フリーヶ丘。

住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──

今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。

そして、グシオンには彼女ができていた。


第三部、開幕です。

「ミスターグシオン、私と付き合ってください!」

グシオンは、カネアル国の留学生から告白を受けていた。


「「彼女ができた?!」」

「ええ!やっぱり出来る男というのはオーラが違うんでしょうね。彼女は見る目があります」

「詐欺じゃないのか?」

「失礼ですね!彼女はカネアル国の由緒正しき王女様なんですよ!」

ぷんぷん、という擬音を出しながらグシオンは怒る。

(ねえ、本当にあのグシオンが?!)

(特殊詐欺じゃなかったら何かしら、頭脳……?)

(その可能性は十分あります)

三人はコソコソ話す。一方グシオンは人生初の彼女に浮かれている。

「それでですね、カネアル国に行くことになったんで休暇申請お願いします」

「予定表見せなさい」

「?わかりました」

アレプトはグシオンから予定表を受け取る。そこには──

「ちょっと待ちなさいよ!ここに『脳缶化手術』って書いてあるわよ?!」

「そうですけどどうかしましたか?」

「あんた脳だけになってどうすんのよ!水槽の脳じゃない!」

「そもそも肉体を持つこと自体が不合理ですので……」

「バカじゃないの?!超悪い子軍団の活動はどうするのよ!」

「心配するのそっちなんだ?!」

ブエルは思わず口出しする。肉体の心配はしないのかと。

「それはインターネットを使って参加するのでご安心を。あと肉体はミイラにするらしいです」

「万能薬!」

「絶対騙されてるぞ」

「そうだよ!グシオン、目を覚ましてよ!」

「覚めたと言えば覚めましたね、真の愛に──」

「やかましいわよ、このバカ!」

アレプトは怒鳴る。

「困ったわね、バカはバカだけど地頭はいい方のバカなのよ……一体どうすれば……」

「俺に任せて、アレプト様!」

ブエルは一旦部屋に戻り、女装して戻ってくる。

「グシオン君、私じゃダメ、かな……?」

そう上目遣いで話す。

「喉仏!肩幅!男感が隠せてません!ダメに決まってるでしょう!」

「ハア?!地道につけてた俺の女装スキルにケチつけるっていうの?!クラスでは可愛いって評判だったんだぞ?!」

「バカしかいない」

「本当ね、全く……その彼女とやらを連れてきてもらうしかないわね」


カネアル国の彼女は、悪の組織に目をつけられたと知ると逃げていった。

「やっぱりあんたの脳味噌狙いだったじゃない!」

「僕の青春が……」

「俺がいるって」

「男は射程外ですよぉ!」


うまい話には気をつけろ、そんな回でした。

グシオンを脳缶にして何にするつもりだったんでしょうね。多分ロクなことにはならないと思います。

第三部はこういう“ヤバい人間たち”がどんどん増えていきます。

こうやって止められているあたり、彼は彼で愛されているようです。

次回もお楽しみに!


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