36.グシオンと彼女
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そして、グシオンには彼女ができていた。
第三部、開幕です。
「ミスターグシオン、私と付き合ってください!」
グシオンは、カネアル国の留学生から告白を受けていた。
「「彼女ができた?!」」
「ええ!やっぱり出来る男というのはオーラが違うんでしょうね。彼女は見る目があります」
「詐欺じゃないのか?」
「失礼ですね!彼女はカネアル国の由緒正しき王女様なんですよ!」
ぷんぷん、という擬音を出しながらグシオンは怒る。
(ねえ、本当にあのグシオンが?!)
(特殊詐欺じゃなかったら何かしら、頭脳……?)
(その可能性は十分あります)
三人はコソコソ話す。一方グシオンは人生初の彼女に浮かれている。
「それでですね、カネアル国に行くことになったんで休暇申請お願いします」
「予定表見せなさい」
「?わかりました」
アレプトはグシオンから予定表を受け取る。そこには──
「ちょっと待ちなさいよ!ここに『脳缶化手術』って書いてあるわよ?!」
「そうですけどどうかしましたか?」
「あんた脳だけになってどうすんのよ!水槽の脳じゃない!」
「そもそも肉体を持つこと自体が不合理ですので……」
「バカじゃないの?!超悪い子軍団の活動はどうするのよ!」
「心配するのそっちなんだ?!」
ブエルは思わず口出しする。肉体の心配はしないのかと。
「それはインターネットを使って参加するのでご安心を。あと肉体はミイラにするらしいです」
「万能薬!」
「絶対騙されてるぞ」
「そうだよ!グシオン、目を覚ましてよ!」
「覚めたと言えば覚めましたね、真の愛に──」
「やかましいわよ、このバカ!」
アレプトは怒鳴る。
「困ったわね、バカはバカだけど地頭はいい方のバカなのよ……一体どうすれば……」
「俺に任せて、アレプト様!」
ブエルは一旦部屋に戻り、女装して戻ってくる。
「グシオン君、私じゃダメ、かな……?」
そう上目遣いで話す。
「喉仏!肩幅!男感が隠せてません!ダメに決まってるでしょう!」
「ハア?!地道につけてた俺の女装スキルにケチつけるっていうの?!クラスでは可愛いって評判だったんだぞ?!」
「バカしかいない」
「本当ね、全く……その彼女とやらを連れてきてもらうしかないわね」
カネアル国の彼女は、悪の組織に目をつけられたと知ると逃げていった。
「やっぱりあんたの脳味噌狙いだったじゃない!」
「僕の青春が……」
「俺がいるって」
「男は射程外ですよぉ!」
うまい話には気をつけろ、そんな回でした。
グシオンを脳缶にして何にするつもりだったんでしょうね。多分ロクなことにはならないと思います。
第三部はこういう“ヤバい人間たち”がどんどん増えていきます。
こうやって止められているあたり、彼は彼で愛されているようです。
次回もお楽しみに!




